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ライバルに勝つための軽自動車の「自社届け出」! 「未使用中古車」が増えるだけで「不毛なやり方」にも見えるがじつはメーカーにとってもメリットがあった (1/2ページ)

ライバルに勝つための軽自動車の「自社届け出」! 「未使用中古車」が増えるだけで「不毛なやり方」にも見えるがじつはメーカーにとってもメリットがあった

この記事をまとめると

■2025年の新車販売台数でホンダN-BOXが総合1位であった

■軽自動車の世界では販売台数の積み増しを行う「自社届け出」が多い

■軽自動車は未使用中古車が人気となっている

N-BOXはなんだかんだで人気を維持し続けている

 全軽自協(全国軽自動車協会連合会)統計によると、2025暦年締め(2025年1月~12月)での車名(通称名)別新車販売台数において、ホンダ N-BOXが20万1354台を販売し、軽自動車のみに留まらず、登録車を含めた総合ランキングでもトップとなり、2025暦年にて日本一売れたクルマとなった。暦年締めでの年間新車販売台数で軽自動車のみでは11年間連続でトップとなっている。

 ちなみに軽自動車のみのランキングでみると、2位がスズキ・スペーシア(16万5589台)、3位がダイハツ・タント(12万4619台)となっている。2020年から新型コロナウイルスの感染拡大が発生し、感染拡大が落ち着いたあとも半導体不足やダイハツの認証問題など、軽自動車の新車販売での周辺環境は平常時とはずいぶん異なっていたので、その前年である2019暦年締め年間新車販売台数を見ると、1位N-BOX、2位タント、3位スペーシアとなっており、よほどのことがない限りは、1位N-BOXはほぼ不動。2位と3位は入れ替えが起きるものの、スペーシアもしくはタントとなり、軽自動車販売トップ3は基本この3車が軽自動車販売トップ御三家といってもいい存在となっている。

 2025暦年締めでのトップだったN-BOXと2位スペーシアの差は3万5765台、2019暦年締めでのトップN-BOXと2位タントとの差は、なんと7万8208台となっている。トップN-BOXと2位(たいていはスペーシアもしくはタント)との差が接戦とはならず、意外なほど差がついているのも、このランキングの特徴といっていいだろう。統計数字を見ている限りは、スペーシアやタントがトップ獲りを諦めている、もしくは断トツでN-BOXの人気が高いというようにも見えるが、軽自動車の世界では販売台数が多い=人気車とも必ずしもいえない事情がある。

 軽自動車はそのボディサイズやエンジン排気量など規格が厳しいものとなっており、走りなどクルマとしての基本性能でのライバルとの差別化が難しいといえよう。ボディサイズも厳格なものとなっているので、基本的なスタイルはライバル車間では変化に乏しいものとなっている。また、女性ユーザー(とくに現役子育て世代が多い)が目立つので、子どもが車内で立ったまま着替えができるかなどが重視され、クルマとしてのパフォーマンスが必ずしも重要視されるというわけでもない。

 登録車に比べ薄利多売となる軽自動車では、できるだけ手離れした状態で販売していかないと、無駄に体力を消耗するだけにもなってしまうのである。また生産においても工場稼働率というものが登録車よりクローズアップされている。

 長年軽自動車をメインに展開してきたスズキやダイハツでは、業販店における販売比率が高くなっている。街の整備工場や中古車専業店などが業販店として、新車の販売協力関係を構築しており、この業販比率がスズキやダイハツでは際立って高いのである。また読者たちの地元でも注意してみてもらえばわかるが、たとえばひとつの整備工場でスズキとダイハツ両方の看板を掲げ両ブランドの業販店となっているところも、意外にも多いのである。スズキとダイハツ系正規ディーラーでは、店頭で新車を販売する部署のほかに、業販店を束ねるような営業部署が存在している。

 そしてこの担当者が業販店をまわるのだが、その際スズキはダイハツの、ダイハツはスズキのその月の販売状況を探っていると聞いている。お互いの販売状況を聞きながら、月締めが近づくと、「相手に勝つには……」と考えて、自社系正規ディーラー名義などで、在庫車を中心に販売先のないままナンバープレートだけをつけて、販売台数の積み増しを行う「自社届け出」を行い、販売台数調整を行うのである。そしてこの自社届け出の副産物として、届け出済み未使用中古車が流通することとなるのである。

 現状では認証問題の影響をひきずるダイハツが苦戦傾向にあるので、スズキが2025暦年(2025年1月から12月)締めでの年間新車販売台数でトップとなっているが、認証問題発覚以前は月締めも含めてブランド別ではダイハツの常勝が続いていた。「業販店で情報収集しているのになぜ?」ともなるのだが、これにはスズキがダイハツの状況を聞きだすことができないほか、ダイハツにおける最大の業販店となっているトヨタ系正規ディーラーという存在があるからである。

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