
この記事をまとめると
■かつては金品の盗難が多かったが最近は車両盗難が増えている
■車両盗難の手口が年々巧妙になってきているのが特徴だ
■対策グッズ以外にスマートフォンを利用した防犯が主流になっている
車両盗難はスマートフォンで対策する時代に
車両盗難の手口は年々巧妙化しており、さまざまな盗難防止装置が開発装備されるようになってきた。以前は車内を物色して財布やクレジットカードといった金目のもののほか、カーオーディオやタイヤ・ホイールといった車載品を盗む「車上狙い」が非常に多かったといわれている。
これに対する盗難防止装置は、ガラスを割る・ドアをこじ開ける・クルマを揺するなどした際に、音や光で警告したり無線でもち主に知らせたりするものが主流であった。
車両盗難も基本的には同様の機能をもつ盗難防止装置で対応が可能なのだが、組織化された犯罪では手口が巧妙かつ大掛かりになっている。その主なものとして挙げられるのは、以下のような手法だ。
・リレーアタック
車内・玄関・ポケットなどに保管されているスマートキーの発する微弱な電波を受信し、これを中継・増幅してドアの開錠やエンジンの始動をして自走する手口。
・イモビカッター
イモビライザーとは、クルマとキーに登録されたIDを照合し、エンジンを起動させる自動車盗難防止システム。これに介入してIDを書き換え、エンジンを始動させて自走する手口。
・CANインベーダー
クルマの通信プロトコルであるCANに侵入し、ドアの解錠やエンジンの始動をして自走する手口。
・キーエミュレーター
ドアハンドルを握った際に出る微弱な電波を受信し、そこからIDを解読してスペアキーを作製。それを使い、ドアの解錠やエンジンの始動をして自走する手口。
・コードグラバー
スマートキーでロックした際に出る電波を受信し、IDを解読してスペアキーを作製。それを使い、ドアの解錠やエンジンの始動をして自走する手口。
このほかにも、狙いをつけた車両の駐車場所に関する情報を入手して、そこからクルマをキャリアカーに乗せてもち去るといった、かなり強引な手口を使う犯罪者もいるそうだ。こうなると、これまでの盗難防止装置では間に合わないケースも出てきかねない。
そこで、もち去られた車両を追跡できるように、GPS・携帯電話会社基地局・Wi-Fiなどの情報を利用した「位置情報サービス」タイプのものが登場した。警備会社が販売するもののなかには、万一の際に警備員が駆け付けるセキュリティサービスがついているものもある。
ただ、これでは車両がもち去られてからしか対応ができない。こういった車両盗難の巧妙化を受けて、今注目されているのがスマートフォンを使用した通信型のセキュリティシステムだ。車両に取り付ける装置本体は、車両のシステムを制御する機能をもつ。そのコントロールを、スマートフォンにインストールしたアプリで行うわけだ。
装置のセキュリティをオンにしておけば、クルマのエンジンは一切かかることはない。仮に、本物のキーがあったとしても同じことだ。また、ドアの解錠や車両に衝撃が与えられるといった異常を感知すれば、メールで通知が送られてくる。セキュリティがオフのときに、万一車両がもち去られてもGPSで追跡ができるだけではなく、セキュリティをオンにすればいったんエンジンを切ると、2度とかからなくなるのだ。
車両盗難を防ぐにはこういった盗難防止装置を利用するほか、以下の対策も有効だ。
・シャッター付きの車庫入れる、あるいは家から見える場所に駐車場を確保する
・駐車場にはセンサーライトや防犯カメラを設置する
・スマートキーは金属缶など電波を遮断するケースに入れ、外から離れた場所に保管する
・ ハンドルやタイヤを物理的にロックする盗難防止装置を使う
クルマは大切な財産だから、防犯対策をしっかりとおこなっておきたいものである。
