
この記事をまとめると
■かつて無線機は子どもたちにとって憧れのアイテムだった
■携帯電話がないころはトラックドライバーたちがよく使用していた
■スマートフォンと連携できたりGPSを利用できる無線機が出始めてる
まだまだ無線機の需要は高い
1960年代にアニメや特撮のSF物が流行し、ヒーローらが使用する無線機にあこがれをもった人がたくさんいたのではないだろうか。業務用無線はそれ以前からあったようだが、コストの問題もあって使用していた事業者は限られていたという。当然、このころに一般人がレジャーの一環として無線機を使用するなどといったことは、ほとんどなかったといってよいだろう。
ところが、60年代中ごろにおもちゃのトランシーバーが流行し、子どもたちが夢中になった。当時のおもちゃとしては高価であったために誰もがもっているものではなく、無線が届く距離も50m程度(機種・条件による)で実用性があるとはいえなかった。それでも、アニメや特撮ヒーローのように無線で会話ができるという事実は、かなり魅力的なものであったようだ。
このように潜在需要が醸成されるなかで無線技術は進化を遂げ、市民ラジオとして登場したのがCB無線である。孤独な業務であるトラックドライバーにとって、運転中でも仲間との交流・情報交換ができるCB無線は魅力的なツールといえた。映画「トラック野郎」で象徴的なアイテムとして使用されたこともあって、70年代ごろからトラックドライバーの間で爆発的に広まっていったのだ。
無線の魅力は、「どこからでも」「どこへでも」通話できることが大きい。ところが、CB無線を法律枠内で使用した場合、通話可能距離が必ずしも長くはないのだ(3km~30km程度、機種・条件による)。それを、無線の魅力が半減すると感じた一部の不心得な人たちが、無線機を違法改造するなどして出力を高め、いわゆる違法CB無線を利用し始めた。当局はこれを取り締まると同時に、新たにパーソナル無線を登場させている。しかし、この無線の通話可能距離は市街地で数km(機種・条件による、実験では富士山頂から東京に届いた例もある)であったため、CB無線同様に違法な改造が行なわれる例が増加してしまった。
結果、これらの無線機は違法機器の取り締まりが強化されたことに加えて、携帯電話・スマートフォンが普及したことなどにより衰退。かわって登場したのが、IP無線である。これは、簡単にいうと携帯電話の通信網を利用した無線のこと。免許や基地局が必要なく、携帯電話網があれば国内のどこにでも通信が可能。従来の無線機と同じく、同時に複数の人たちに話しかけることができる。
さらに、機種によってはGPSに対応しており、基地局では無線機を搭載している車両がどこを走っているかを把握することができるのだ。このシステムがあれば運送事業者などでは簡単に運行管理が可能になり、運輸効率の分析や改善役立つ。もちろん、個人的に仲間同士で無線機をもち合い、全員が同時に交流や情報交換をすることも可能だ。
ただ、無線機は決して安価なものではないので、同じ機能をもつアプリをインストールするという方法もある。そうすれば、手持ちのスマートフォンにIP無線機の機能をもたせることができるのだ。無線通信は、日々進化を遂げている。今後の動きに目が離せない。
