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ホンダってこういうとこあるよね! 初代タイプRシリーズのチタン製シフトノブへのこだわりが想像の斜め上だった

ホンダってこういうとこあるよね! 初代タイプRシリーズのチタン製シフトノブへのこだわりが想像の斜め上だった

この記事をまとめると

■初代タイプRシリーズにはチタン製シフトノブが採用されていた

■製作には7工程ものプロセスがあり手間が掛かっている

■パーツ単品で購入してもホンダ車以外には装着できない場合がある

ただのシフトノブかと思ったら大間違い!

 MT車に乗ったことがある人なら誰もが触るシフトノブ。一般的には1〜5、もしくは6とRという文字が頂点に刻まれており、どの位置にシフトを移動したら、ギヤが何速に入るか、視覚的にわかるようになっている。なお、このパターンがシフトノブの頂点や運転席から見えるところにないと車検に通らない(見てわかりさえすればガムテープに手書きとかでもOK)。

 それと、このシフトノブがないと操作は棒でするしかないので、取り付けていないと操作性は最悪。形はなんであれ、ついてないと話にならない。

 そんなシフトノブは、MT車乗りからすればカスタムパーツにおける超ド定番。純正派であれば変えないと思うが、MT車に乗ってる歴が長い人であればあるほど、1度くらい社外品を使ったことがあるのではないだろうか? パーツ自体も数千円からせいぜい1万円くらいだし、多くはネジ式なので、手で緩めて交換できる手軽さも相まって、誰もが手を出しやすい部分だ。長さもピンキリで、重さも数十グラムから数百グラムまで幅広いので、サイズや重さを変えると操作性も変わる点も、カスタムパーツのなかでも効果がわかりやすくて面白い。

 しかし! そんなシフトノブの世界においても、社外品に変えるのがあまりにももったいないモノを純正採用しているクルマが世の中に存在する。それが、ホンダのタイプRシリーズが採用するシフトノブだ。今回はちょっとマニアックでディープな世界を2部にわたって紹介する。

 まずはじめに、タイプRシリーズを象徴するパーツが、NSX-R、インテグラタイプR、シビックタイプRに採用されていたチタン製シフトノブ。いってしまえばたかだかシフトノブなのだが、これらモデルに採用されていたモノは、純正品とは思えない贅沢な作りが特徴だ。

 なんと言っても、これらのモデルに採用されたシフトノブは、樹脂とかスチールで簡易的に作ればいいのにもかかわらず、なんとも贅沢に、チタンのインゴット(無垢材)から、なんと1個1個手作業で削り出されているのだ。さらに、シフトノブに刻まれているシフトパターンも手作業で入れられており、パターン内に入れられている色も手作業で着色するという、まさに工芸品顔負けの逸品。

 このチタン製シフトノブ、製造工程は削り出しから穴あけ、色付けなど含め、なんと7工程にも及び、当時の関係者曰く、タイプRシリーズにとってお馴染みのエンジン内のポート研磨より手間がかかっているとか。重さやサイズ、操作感も徹底的に計算されていて、このインテグラタイプRとシビックタイプRに採用されているチタン製シフトノブの重さは245gだ。なお、NSX-R(92R)のシフトノブは255gとなっている。

 純正採用のシフトノブ1個にやりすぎな、この謎のこだわりは、ホンダらしいといえばホンダらしいが……(笑)。シフトノブをチタン化した理由としては、タイプRのスピリットに通ずる「軽量化・高剛性・操作性」を重視した背景があったそうだ。

 これだけスペシャルなパーツともなれば、ホンダ車でなくとも流用したいと思う人も、昔から少なくないのだが、ホンダのネジピッチは10×1.5という規格で特殊なものとなっているので、じつは簡単に流用できない(他社の多くは10×1.25、もしくは12×1.25)。さらに初代のインテグラタイプRとシビックタイプRは5速MTなので、6速モデルに使えない点が惜しい。

 しかし、NSX-Rの初期モノであればシフトパターンが刻まれていないし、後期モデル(02R)であれば6速なので、それらを流用すれば、インテグラタイプRとシビックタイプRとは形は違えど、6速モデルにも使用できる。

 ただ難点としては、新品で買うと1個約2万5000円と、シフトノブとしては驚異のプライスなので、なかなかに高級品。とはいえ、これほどまでに手間がかかっている工芸品と思えば、高すぎる買い物ではないのかもしれない!? ほかにデメリットをいうとすれば、夏は火傷上等なくらい熱くなり、冬はめちゃめちゃ冷たいことだろうか……。

 握ってる間、無駄にスベスベ撫でたくなるこの逸品は、タイプRを語る上で欠かせない、ホンダのこだわり満載でアイコニックなアイテムなのだ。次回は、現行モデルのシビックタイプRに採用されているシフトノブについて、紹介したいと思う。

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