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箱根駅伝でも注目を浴びた「e-パレット」にレーシングドライバーが試乗! 取り回しも実用性も最高だが唯一気になるのは「運転士の位置」 (2/2ページ)

箱根駅伝でも注目を浴びた「e-パレット」にレーシングドライバーが試乗! 取り回しも実用性も最高だが唯一気になるのは「運転士の位置」

この記事をまとめると

■中谷明彦がトヨタの新たなコミュニティバス「e-パレット」に試乗

■実用性と取り回しを重視したメカニズム構成となっている

■e-パレットの多用途に活用できるポテンシャルを体感した

動的質感のさらなる進化に期待

 今回はトヨタが描く未来の移動空間「e-Palette」のステアリングを握った。試乗コースは一般道ではなく、お台場のCCTB(シティサーキットトウキョウベイ)内のカートコースだ。

 駆動方式はフロントにパワートレインユニットを集中させたFFを採用。キャビン後部にひな壇式の座席が備わっているが、その下にはじつは空洞でフラットな床面が確保されていて、室内空間を自由に設計できるようになっている。全重量4トンに迫る巨体を支える足まわりは、前後ダブルウイッシュボーンという贅沢な形式だ。サスペンションにはコイルバネと油圧の「AHC(車高調整機構)」を併用し、高荷重への対応と姿勢制御の両立を図っている。

 実際にコースへ出ると、ステアリング・バイ・ワイヤ(SBW)の特性が際立つ。ハンドル操舵角わずか180度(仕様により200度)で前輪が約34度も切れる設定は、手首の返しだけで巨体を操れる軽快さを生んでいる。最小回転半径6.5mという取りまわしのよさは、都市型モビリティとして大きな武器だ。

 しかし、動的質感には課題も残る。車体の重心こそ低いが、フロントモーター真上に位置するドライバーの着座位置は驚くほど高い。SBWのクイックな応答に車体が反応するたび、高所にいる頭部には過剰なロールモーメントが襲いかかる。この視覚と三半規管のズレは、連続走行では「船酔い」に近い感覚を誘発した。

 正月の箱根駅伝の随走車として、箱根の山をスタッドレスタイヤで登り切る登坂性能や、実用航続距離150kmというタフさは証明済みだが、運転者の負担を軽減させ、どう煮詰めるか。次なる進化に期待したい。

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