
この記事をまとめると
■クルマを市販したあとに重大な欠陥が見つかるとリコールがかかる
■最近起きた大規模なものでは3代目フィットと初代ヴェゼルのミッションが挙げられる
■リコールを大問題として取り上げて騒ぐとかつてあったリコール隠しに繋がる可能性もある
リコールを責めると事態が悪化する可能性アリ
クルマの開発や製造過程で問題が生じて、不具合が発見されたとき、メーカーは国土交通省に届け出を行って回収や修理を無償で行う。これがリコール制度だ。クルマに生じたトラブルは、乗員や周囲の人達に、危険を及ぼすこともある。そこでリコールの措置を素早く行い、ユーザーに注意喚起して、回収と修理を実施する。
リコール制度は、クルマを安全かつ安心して使う上で欠かせない制度だ。そこで今回は、記憶に残るリコールを取り上げたい。
まず多くのユーザーにリコールを意識させたのは、2013年から2014年に掛けて実施されたホンダ3代目フィットと初代ヴェゼルの大量リコールだろう。
この世代のフィット/ヴェゼルハイブリッドは「スポーツハイブリッドi-DCD」を搭載していた。ハイブリッドに装着されるトランスミッションは、2組のクラッチを備える7速DCTと呼ばれるATであった。この7速DCTがリコールを頻発させた。
最初のリコールは2013年10月に公表され、このトランスミッションが原因で、発進や走行が不能になるという症状だった。2回目のリコールは同年12月で、同じく7速DCTが対象になった。ギヤやプログラムの不良で、エンジン回転が低下したり、発進が不能になった。
3回目のリコールは2014年2月に実施された。7速DCTの1速ギヤに問題があり、今までと同じく発進が不能になったり、逆に急発進する不具合も生じた。4回目は2014年の7月で、エンジンなどを制御するコンピュータのプログラムに問題があり、速度が急に高まったりした。2014年7月のリコール台数は17万5356台に達した。
このときのリコール対策は、1回目/2回目/4回目は制御プログラムの書き換えだったが、3回目は7速DCTに問題があってユニットの交換も行った。たび重なるパーツ交換を伴うリコールのため、ユーザーは、長期間にわたって車両を販売店に預けることになった。
リコールは日本車だけでなく輸入車でも行われ、以前はアウディTT、メルセデスベンツAクラスなどが話題になった。フォルクスワーゲンも、ホンダの7速DCTに似たDSGが数回にわたりリコール対象になっている。1台の車両が数回にわたってリコールを受けたことも珍しくない。
ユーザーにとってリコールは、愛車の使用を妨げる不利益とされるが、前述のように車両の安全運行には不可欠な制度だ。
そのためにメーカーがリコールを行ったとき、過剰に責めてはならない。リコールを責めると、かつてのような「リコール隠し」に繋がるからだ。ユーザーも冷静に受け止めることが求められる。
