
この記事をまとめると
■2026年3月18日にBMWは「ノイエクラッセ」の第2弾「i3」を公開する
■もともと「ノイエクラッセ」とは1960年代に発売されたシリーズの総称であった
■新たな「ノイエクラッセ」がBMWの新しい時代を切り拓くかに注目だ
新世代「ノイエクラッセ」がBMWの新たな時代を作る
BMWは2026年3月18日に「ノイエクラッセ(Neue Klasse)」の第2弾となるi3を世界初公開する。
現在、BMWは次世代EVシリーズの名称として「ノイエクラッセ」の名称を掲げている。だが、BMWが「ノイエクラッセ」の名称を使ったのは、今回が初めてではない、じつは1960年代、BMWの運命を大きく変えた伝説的なモデルシリーズを総称していたのが「ノイエクラッセ」だったのだ。
いまではプレミアムブランドとして人気を博すBMWだが、1950年代末の同社は経営危機に直面していた。当時のBMWは高級車のBMW501や小型車のBMWイセッタなどを販売していたものの、その販売台数は伸び悩んでおり、会社の存続すら危ぶまれる状況だった。
そんな状況を打開するために登場したのが「ノイエクラッセ」と呼ばれる新しいセダンシリーズだった。最初のモデルとして1961年9月に登場したのが、BMW 1500である。
「ノイエクラッセ」の最大の特徴は、それまでのBMWにはなかった「スポーティなセダン」というコンセプトにあった。当時のヨーロッパでは、セダンといえば快適性を重視した落ち着いたクルマが主流だったが、BMWはそこに「運転する楽しさ」を加えたのだ。
デザインも当時としては非常にモダン。低くワイドなボディに大きなガラスエリア、そしてフロントにはBMW伝統のキドニーグリルを配置。このスタイリングがのちのBMWのデザインに大きな影響を与えたことは、その後のBMWを見れば明らかだ。
また、技術面でも「ノイエクラッセ」は新しかった。新開発の直4エンジンは高回転までよどみなくスムースにまわり、非常にスポーティな性能を実現。さらに、4輪独立懸架サスペンションを採用するなど、走行性能を重視した設計となっていた。
BMW 1500のヒットに気をよくしたBMWはその後、ノイエ・クラッセに排気量違いのモデルを次々と追加した。1600、1800、2000などが登場し、ラインアップも充実していった(ただし、1500は1966年に1600は1968年に生産を終了した)。
さらに、「ノイエクラッセ」から2ドアモデルも派生。なかでも有名なのが、スポーティなコンパクトモデルとして人気を集めた通称「マルニ」の2002だ。2002は、傑作スポーツサルーンとして世界中で高い評価を受け、今日の3シリーズの源流となったことはご存じのとおり。
こうして「ノイエクラッセ」は、BMWの販売台数を大きく伸ばし、会社を経営危機から立ち直らせただけでなく、「スポーティなプレミアムセダン」というブランドイメージを確立することにも成功させた。その後、1970年代に入るとノイエクラッセの思想は新しいモデル、それぞれ5シリーズと3シリーズに受け継がれている。
このようにノイエクラッセとは、BMWの歴史のなかでも重要なターニングポイントとなったモデルだ。そしていま、BMWは電動化時代に向けたEVシリーズに再び「ノイエクラッセ」と名付けた。つまりこれは、いまこそが時代のターニングポイントであり、そんな新時代を切り開いてくれると期待している証だ。
果たして新世代「ノイエクラッセ」は、初代同樣にBMWを新たな時代へと連れて行くことができるのだろうか。「ノイエクラッセ」の今後に要注目だ。
