
この記事をまとめると
■安全運転支援システムが装着されたトラックが増えている
■乗用車のおかしな運転で警告音が鳴るとトラック運転手はストレスを感じやすい
■乗用車の運転手もトラックの運転手もどちらもマナーを守った運転が望まれる
安全運転支援システム装着車に乗るトラックドライバーの苦悩
トラックが絡む重大事故が毎日のように起きている現在の日本。その理由はさまざまであるが、なかには飲酒運転やながらスマホなど、プロとしてあるまじき行為も散見されている。
トラック業界に長年携わってきた立場から見ていても、トラックドライバーの性質が悪くなったのは明白。運転スキルといった技術面だけではなく、マナーの低下といった部分まで感じるようになったのは、悲しい話である。それは、トラックに限ったものではない。乗用車においても、質の悪いドライバーが明らかに増えているのだ。オートマが一般的になったことで敷居が低くなったぶん、低レベルなドライバーが増えてしまったのだろう。
そんななか、トラック業界にも動きが生じている。安全運転支援システムというものが装着されたトラックが、事故を未然に防ごうと活躍しているのだ。前車との車間距離が短くなったり、車線を跨いだりした場合などに警告音が鳴り、ドライバーに注意を促しているのだ。
その部分だけを切り取って考えてみると、よくできた装置だと感じるに違いない。いや、実際のところ立派なシステムであると思う。しかし、その精度はまだまだ完全ではないようだ。
「走行中、前車の速度が表示されるのでありがたいですね。うちの会社は法定速度でしか走行できないので、追い越せるかどうかの目安にしています。もちろん、追い越しをかけたら速度が速くなる乗用車がほとんですが(笑)。ただ、誤作動があるのでびっくりしますね。車線をまたぐと激しめの警告音が鳴り響くのですが、きちんと走行していても鳴ることがあるので。だいたい決まった場所で鳴るのですが、そこは車線の幅を狭く見せるための破線(ドットライン)が引かれているのですよ。それが、誤作動を引き起こしている要因かもしれません」
「不快な警告音にはストレスしか感じないです。信号待ちなどで、妙に車間を開けて停車する乗用車が多いじゃないですか。それが安全を考慮したものなら納得できるのですが、そういう乗用車って赤信号で前車が動いていないのにもかかわらず、少しずつ前に進んだりするのですよ。まったく無意味で理解不能な動きなので合わせるつもりはないのですが、前車が進んだのに自車が動かなければ、警告音が鳴るのです。そのたびに、イラッとしますね。ドライバーをイラつかせるだけの装置なので、なにが安全運転支援システムなんだよっていいたくなります。本当に、おかしな運転をするのはやめてほしい」
警告音とは、一般的にとても耳障りなもの。それが機械の誤作動や妙な動きをする乗用車のせいで発せられたとしたら、ドライバーが気分を害するのも無理もない。しかし、そのような装置が開発されて実用化されたのも、トラック事故があとを絶たないからである。
もちろん、トラックだけが悪いのではない。乗用車が原因となったトラック事故も、数知れず発生している。それでも車体が大きいトラックが悪者扱いされる傾向にあるので、トラックドライバーのストレスは生半可なものではないだろう。
運転を生業としているトラックドライバーは、文字どおり運転のプロである。対する乗用車は、運転に関して言うと素人という立場になる。素人にプロと同等のスキルやマナーを求めるのは無理があるし、プロであればプロらしいドライブを心がけなければならない。そして素人は素人で、プロの迷惑にならないように留意しなければならない。それらの意識が足りないドライバーが多いと感じること自体なげかわしいところであるが、だからこそ交通事故というものは永遠の課題となっているのだろう。
プロも素人も関係なく、公道を走る以上は気持ちを引き締め、運転に集中してもらいたいものである。
