
この記事をまとめると
■花博通で昼間の路上駐車取り締まりを再実施
■ドライバーは業務と法令の板挟み状態となっている
■根本解決には荷主側の環境整備が不可欠だ
やむなく路上待機を強いられる現状
2026年2月19日、大阪府警察が同県大阪市鶴見区の市道、通称「花博通」でトラックの路上駐車の一斉取締りを行った。およそ20台のトラックの運転手に警告が出され、7台のドライバーに駐車違反の反則切符が交付された。同地での一斉取締りは、前年の2025年4月28日にも実施され、本サイトでもその問題をリポートしたが、このときを含め道県警ではこれまで早朝の駐車違反取り締まりを定期的に行っていた。
それとかわって今回2月19日の取り締まりは昼間に実施。これは近隣住民からの「昼間に花博通を休憩で使うトラックとドライバーが多い」という苦情により行われたという。この花博通に限らず、深夜に長距離を走り、納品先の朝の始業とともに積み荷を納品するトラックドライバーは、未明から早朝にかけてはこの花博通のような納品先近くの片側2車線道路で納品待ちや積み込み前の荷待ち待機の駐車をし、納品後は前夜から早朝までの疲れを癒やすために同じ道路に車両を駐め、仮眠をする。今回の取締りではそんな仮眠中のドライバーがターゲットになった。
トラックドライバーは違法駐車をしたくて愛車を路上に駐めているわけではない。違法駐車をすると、駐停車禁止場所では普通車(2トン・4トントラックを含む)で1万2000円、大型トラックで1万5000円。駐車禁止場所では普通車1万円、大型車1万2000円の反則金が課せられ、違反点数も駐停車禁止場所では2点、駐車禁止場所では1点が加算(いわゆる「減点」)される。
トラックを運転することで生計を立てるドライバーにとって、交通違反のペナルティは死活問題で、プロドライバーとしての矜持をもつ彼らとしては、違反を犯してはならないことは重々承知している。ましてや路上駐車は周辺住民にとっては迷惑そのもので、駐車時のアイドリングは騒音だけでなく排気ガスによる健康被害を及ぼすおそれもある。
しかし、荷主の指定する時間どおりに荷物を積載し、定時までに積み荷を運び納品するのは彼らに課された絶対の至上命題。ドライバーたちはそんな業務とコンプライアンスとの板挟みの間に常にさらされているのだ。
トラックの路上駐車問題は2024年問題でも重要な課題となっている。また、この問題の根源である「働き方改革関連法」では、トラックドライバーの4時間ごとの30分の休憩、いわゆる430休憩も厳格に義務化されている。ドライバーたちは荷主の定時集荷・定時到着とともに、法の厳命にも従わなければならないという、まさに矛盾した状態のなか仕事に励んでいるのだ。
2025年の花博通の一斉取締りが報道された際も、「ドライバーだけが悪いわけではない」「ドライバーより違反を強いている荷主を取り締まるべき」といった意見が各所で見られた。今回の取り締まりでもTV番組でコメンテーターの弁護士が「物流倉庫に駐車スペースや休憩所を作るなど法令と環境を整備すべき」「空港には飛行機を降りると駐機場があるのと同じく、物流倉庫にも駐車スペースやドライバーが休憩できるようなスペースを作りなさいと法令などで厳しくするべき」と述べていた。
トラックの荷待ちは2025年6月に施行されたトラック新法でも禁止事項として厳格化されたが、いまだそれが横行していることは明らか。ドライバーたちに違法行為をさせない環境づくりを荷主を含めた業界全体が進めない限り、この問題はいたちごっこになり続けることは間違いない。
