
この記事をまとめると
■鮮魚便や青果便では収穫量によって荷室に余裕ができたり入らなかったりする
■余裕ができた場合は混載を進める取り組みが広まっている
■「物流効率化プラットフォーム」を導入する企業も出始めた
空いたスペースを有効活用
24時間365日、全国各地を駆け回っている流通シーンのトラックたち。そのほとんどが運送会社または荷主の専業でその日のオーダーを受けた荷物を積み込み走っているため、時として当日積める荷物が予定より少なくなり荷台に空きスペースが発生してしまったり、または稀に荷物が積みきれなくなることもある。
トラック魂本誌でも、これまで「トラッカー24時」という連載ページで、そんなトラックたちの日々のさまざまな物流の現場に密着取材してきたが、時として「大型車で来ちゃったけど、この積み荷は4トン車で充分積みきれるんじゃないの?」と思えるようなシーンに直面したことがあった。とくに積み込み当日または前日の魚の水揚げや、野菜の産出量が読めない鮮魚便、青果便の現場ではこういった状況は多く見られることがあった。また往路は荷物満載でも、帰路は荷室が空きだらけ、または「空荷」ということもあった。
運送会社またはトラックドライバーの売り上げの多くはこの積み荷の量と直結しているため、積み荷を運ぶ側としては積み荷の減少や空荷の状態は避けたいところ。とくに燃料代や高速料金など運行にかかる経費は運送会社もちというケースが多いため、少ない荷物なのに大型車といった、「便所の100ワット」といったような無駄遣いはコスト的にも地球環境のためにも、なるべく避けたいところだ。
こういった物流シーンで発生してしまう「ムダ」は、近年課題となっているドライバーの人手不足など「物流の2024年問題」においても深刻な問題となっている。そしてこれらを解消するため、飲料メーカーなどの大手の荷主や運送会社などでは、複数のメーカーの製品を1台の大型トラックに積み込み走らせる「混載」といった取り組みも進められている。
兵庫県神戸市に本社を構える物流商社「ネオスタイルロジ」では、物流トラックの定期便で発生する「スキマ」を活用する物流効率化プラットフォーム「スキマシェア」の運用を2025年10月より開始した。このシステムは、同社の提携する一般貨物や軽貨物の物流ネットワークを活用。運行中のトラックの「空き時間」や「空きスペース」を可視化し、その空いた時間やトラックのスペースと荷主の小口貨物や短時間配送ニーズとマッチングさせることでドライバーの仕事を効率よく増やす仕組みだ。
既存の定期便のスケジュールに潜む「スキマ」を活かすことで、安定した輸送とコスト最適化、脱炭素化への貢献をづ時に実現してくれる。このスキマシェアでは、軽貨物の輸送ネットワークに加え、提携する一般貨物運送事業者の稼働データも活用し、常温や冷凍・冷蔵、医療検体といった幅広い分野の積み荷に柔軟に対応できるようになっている。
ネオスタイルロジではこのスキマシェアを活用し、2026年3月までに提携運送会社200社、スキマ登録便数1000便を目標に拡大予定。将来的にはAIによるマッチングの自動化・ルート最適化を導入し、地域別の物流共助ネットワークの形成を勧めていくという。
積み荷における非効率の解消は、人手不足にともなう運航便の減少やムダなトラックの運用によって発生する排出ガスといった物流の問題を解決するための緊急な課題。スキマシェアの普及と拡大は、そんな物流インフラの効率化をさらに発展させていく一助になると期待したい。
