
この記事をまとめると
■4速MTの軽自動車を輸送する手伝いに従事
■高速道路ではスピードが出ないため危険なシーンが何度かあった
■トラックも速度が出ないクルマなのでトラックドライバーの苦労がわかった
4速MTの軽自動車に乗って高速道路を230km走破
高速道路を使って東京から長野へ向かっているときのことだった。「ああ、これがトラックドライバーの苦労か」と何回も感じることがあった。普段から高速道路を使う機会が多い筆者だが、この日ばかりは非常にストレスが溜まる走行となった。その理由は運転しているクルマが古めの軽バンだったからだ。
知り合いに頼まれて、中古で買ったそのクルマを230km離れた場所まで運ぶことになったのだが、選んだルートは中央自動車道。走ったことのある人であればおわかりだろうが、中央自動車道は起伏も激しくカーブが多いことでも有名な高速道路だ。普段であればこの距離を通過するのに3時間半ほどで到着するのだが、その日かかった時間は約4時間半。通常よりも1時間ほど多くかかっているが、それでも途中ほとんど休憩を取らず走り抜けた結果なので、かなりのローペースといえる。
いつもより時間がかかった理由は運転しているクルマにあると先ほどいったが、先にそのクルマのスペックについて触れておこう。長野までの旅を共にしたのは2002年式のスバル・サンバー。走行距離は12万kmを超え、おまけにマニュアルだった。もちろんクルマを届けるだけなので荷物はなにも載っていない。そして料金所を過ぎた直後から、苦行ともいえる長いドライブが始まったのだった。
スマートICを通過した直後の緩やかな上り坂でも、アクセル全開でないとあっという間に速度が落ちてしまう。おまけに4速マニュアルという地獄のような仕様なので、各ギヤで上まで引っ張らないと流れに乗って加速することすらままならなかった。
それでもどうにかこうにか本線へと合流したわけだが、ここから先も気を抜ける瞬間は一時もなかった。それは後続車両を気にしながらバックミラーを凝視し続けなければならなかったからだ。つまりはこういうことだ。「とにかくスピードが出ない!」。ただでさえ非力な軽バンにとって、アップダウンの激しい中央自動車道はかなりハードなシチュエーションだといえる。
これほどまでに非力で遅いクルマで高速道路を走ったことがなかったため、まずどの車線をキープしていればいいのか、それすらわからなかった。追い越し車線は論外だが、通常の走行車線では当然後ろからやってくる普通乗用車にすぐ追いつかれてしまう。かといって一番左側の車線を走ったとしても、空荷のトラックが想像以上の速さで追いついてくる。
トラックドライバーからすれば「なんでそんなにノロノロ走ってるんだ」ということになるのだろうが、こちらは4速全開、もちろんアクセルはベタ踏みだ。とにかく前後左右にいるクルマをすべて気にしながら走るのは非常にストレスがかかる。まわりに迷惑をかけてはいけないと思うのだが、クルマの性能を考えるとそれ以上どうしようもない。このときにふとスピードメーターを確認すると、針は70km/hを指していた。さすがに高速道路、それも空いている状態での70km/hは逆に危険なのではなかろうか。
そう思いギヤを3速に落とす。エンジンはうなりを上げながらも、わずかながら巡航速度を上げることができた。多少上り坂だったせいもあり、それでも走行している速度は80km/h程度。いつ後ろからクラクションを鳴らされるかとヒヤヒヤしながらの走行になった。
