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日産が自らの「在り方」を再定義! 「AIを使った知能を提供する会社」として再出発する!! (1/2ページ)

日産が自らの「在り方」を再定義! 「AIを使った知能を提供する会社」として再出発する!!

この記事をまとめると

■日産が長期ビジョン「Mobility Intelligence for Everyday Life」を発表した

■日産はAIを軸に企業の在り方そのものを再定義する

■自動運転や車内AIを全車の基盤として展開することで勝ち残ることを目指す

「クルマ会社」から「モビリティ・インテリジェンス企業」への転換

 日産は4月14日に長期ビジョン「Mobility Intelligence for Everyday Life」を発表した。この発表では近いうちに市販されるモデルを公開したが、個人的にはスカイラインの新型車が登場すると聞いてホッとしている。というのは私が免許を取って最初に乗ったクルマはGC10型の箱スカであったからだ。このクルマと出会ったことでその後の人生に大きな影響を与えたことはいうまでもない。

 さて、横浜本社の発表会後に多くのメディアは厚木にある日産の研究センターに移動し、さらに詳しい商品企画を知ることができた。日産のエキスパートから話を聞き、イバン・エスピノーサCEOとの懇談も行われた。

日産の戦略を深堀り

 今回のイベントは新型車の紹介というレベルの話ではない。企業の存在意義そのものを再定義する、いわば「新しい日産の宣言」である。結論からいえば、日産は「クルマを売る会社」から「AIを使った知能を提供する会社」へと舵を切った。ここに、今回の戦略の本質がありそうだ。

 まず背景にあるのは、日本社会が直面する移動問題。地方ではクルマの需要が消えたのではなく、供給が維持できなくなっている。高齢化、とりわけドライバーの高齢化が進めば、移動は生活そのものを支えるインフラとなる。この認識の転換がすべての出発点である。

 その解として提示されたのが「AIドライバー」と「AIパートナー」である。前者は自動運転・運転支援の進化であり、後者は移動時間を価値に変えるインカー(車内)の知能化だ。重要なのは、これらが単なる機能ではなく、全車種の約9割に展開される経営基盤として定義し直している点である。いい換えるとSDV化を商品ではなく経営の土台として捉えている点が新しい日産の戦略の骨格である。

 さらに注目すべきは、日産がテクノロジー主義に陥っていないことだ。「人はクルマを操作したい」という前提を残し、人間中心の設計思想を維持している。これは、完全自動化を志向するプレイヤーとは異なる現実的なアプローチである。

 一方で、競争力の本丸として据えられているのが開発スピードだ。従来50か月かかっていた開発期間を30カ月へ短縮する。これは単なる効率化ではない。中国勢が圧倒的な速度で商品を投入する時代において、開発の遅さはそれだけで敗北を意味するからである。

 この改革を支えるのが「ファミリー戦略」である。従来のプラットフォーム共用を一歩進め、パワートレイン、電装、ソフト、さらには外装・内装までを含めた統合的な開発を行う。結果として部品、物流、開発の無駄を削減しつつ、商品ごとの個性は維持する。いわば「共通化と差別化の同時達成」である。

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