
この記事をまとめると
■かつての台北ではタクシー車両はほぼトヨタ・ウィッシュであった
■現在の台北ではRAV4やカローラクロスなどSUVのタクシーが急増している
■BEVタクシーやライドシェア事情にも台湾らしさが見えた
ウィッシュばかりだった台湾のタクシー車両事情に異変
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大以前の時期、初めて台湾最大都市である台北を訪れると、タクシー車両はほぼすべてトヨタ・ウィッシュであった。しかし、調べてみると台湾では、タクシー車両は運転士のもち込みとなっているようなのである。もちろん自家用車ならなんでもいいというわけではなく、所定の条件をクリアした車両で所定の手続きを経るとタクシー車両として使うことができるようである。
ウィッシュは3列シートをもつMPV(多目的車)となるが、何回か台湾でウィッシュタクシーに乗ったことのある筆者が体験した限りでは、通常は3列目シートは格納されていたので(2列シート仕様だったのかは確認できていない)、広大な荷室スペースも確保され、便利に使えることもあってウィッシュが重宝されていたともいえるが、そもそも自家用でもウィッシュの人気が高かったので、台湾のひとにウィッシュがハマっていたようである。
ウィッシュが終売になると、タクシー車両はまさに戦国時代のような様相を呈するようになってきている。
2026年4月上旬に台北を訪れると、多種多彩なタクシー車両が走っているのだが、多数派はトヨタの車両になっているといっていいだろう。台北駅前で定点観測すると、カローラクロスを筆頭にRAV4やカローラアルティス(セダン)がかなりタクシー車両として幅を利かせていた。
とくに日本では自家用でも納車がなかなか進んでいない、現行最新型RAV4のタクシーが街なかを多く走っている姿には少々違和感を覚えてしまった。2026年2月にも台北を訪れているのだが、その時と比べると4代目(つまり先代)のプリウスタクシーを頻繁に目にしたことが、理由もよくわからず不思議であった。
桃園空港から台北市内の宿泊先までタクシーを利用した際の車両はフォード・トルネオコネクト(走行4万kmでタクシーとしてはバリバリの新車)であった。新車ということもあり何も心配していなかったのだが、高速道路を走行中に電気関係のトラブルで故障し立ち往生した。結果、通常1時間あれば余裕で台北市内に到着するはずが、あちこち立ち寄りながら4時間ほどかかって台北市内の宿泊先に到着した。それでも筆者としては、道中かなり貴重な体験をすることができたのでよかったと感じている。
BEV(バッテリー電気自動車)タクシーは、定点観測した限りでは一択で、地元裕隆汽車のLUXGEN(ルクスジェン)が、鴻海精密工業と共同開発したN7というモデルだけであった。タクシーのようなフリートセールスでは頭角を見せる韓国ヒョンデだが、ヒョンデ車では大型ミニバン(商用車にカテゴリーされている)のスターリア以外、現行販売車は見かけることができなかった。
台湾でも圧倒的販売シェアで販売トップとなっているトヨタ。そのトヨタ車のタクシーが目立つというのは当たり前の話かもしれないが、日本同様、タクシーはシビアな使用環境で日々稼働させるので、トヨタ車は台湾のプロドライバーの間でも納得の耐久性能や使い勝手となっているだけではなく、HEV(ハイブリッド車)を選択することができること(純ガソリンエンジン車も燃費性能はいいが……)も魅力なのかもしれない。
ライドシェアも今回3度利用したが、そのうち2回は地元台湾のルクスジェンのBEVが来ることを願って、「グリーン」というカテゴリーでマッチングを試みたのだが、最初は世代の古いカムリハイブリッドで、2度目はレクサスESがマッチングした。定点観測していると、台湾で販売ナンバー1ということもあり、ライドシェア車両ではカローラクロスが目立っていた。BEVのルクスジェンのライドシェア車両も多く見かけることができた。筆者は“ウーバー”を利用したが、“LINE GO”という配車アプリも存在している。
タクシーもライドシェアも日本とほぼ同様な安心感で利用できるので、現地の移動の足としては有効な移動ツールとしておすすめすることができる。
