
この記事をまとめると
■SA・PAにはゴミ箱が設置されている
■一部の施設ではゴミ箱の撤去が進んでいる
■家庭ごみのもち込みが多く運用コストが嵩んでいることが背景にある
一部のSA・PAでゴミ箱が撤去されている
2026年のゴールデンウィークはカレンダーどおりだと5連休。なかには8連休、9連休、12連休といった人もいただろう。
この連休をはじめ、お盆や年末年始などは長期間家を空ける人も多いだろうが、そうしたときに問題になるのがゴミの始末。ゴミの収集日と旅行などへの出発日のタイミングが合わず、家庭ゴミを高速道路のSAやPAのゴミ箱に捨てていく例が目立ち始めているとのことで、NEXCO各社ではその対応に苦慮している。
実際にNEXCO中日本などは、2025年11月にトイレのみが設置された小規模なパーキングエリア(PA)12カ所から、ゴミ箱を撤去したことを発表。
その理由について、NEXCO中日本は「もち込みごみや、不審物等の投棄が多発しており、安全・環境・防犯等の観点から撤去しています」と説明しているが、高速道路の利用者からするとゴミ箱がないのは大変不便。「きちんと分別して捨てているのに」とか「高い高速代も払って利用しているのに」といった不満もあるようだ。
一方で、バーベキューの網やインスリンを注射したあとの針、尿が入ったペットボトル、そのほかの粗大ゴミなど、とんでもないものまで捨てていく輩も……。
原則論でいえば、高速道路のSA・PAのゴミ箱は本来「旅行中に出たゴミ」を捨てるためのもの。NEXCOでは、SA・PAでの禁止事項のひとつに、「家庭ゴミ等の持ち込み」(家庭ゴミ、事業ゴミ、汚物及び危険物等の持ち込み、放置又は不法投棄を行うこと)を明記しているので、家庭ゴミは全般的にNG。
なお、ここでいう家庭ゴミとは、ドライブ中に発生したものではなく、家からわざわざもち込まれたゴミのことを指す。
そうはいっても、ゴミはいずれどこかで処分することになるのだから、少量の燃えるゴミ、資源ゴミなどであれば、分別のルールを守る限り公共の場所で捨ててもOKなのでは? ……と思うのもわからなくもない。
ただし、ゴミの処分はタダではない!
例えば2006年にNEXCO東日本の休憩施設から発生したごみの量は、全体で約7500トンもあったという。この処理に要する費用は、なんと約14億円!
そして、その内訳は高速道路外からもち込まれるごみが63%。そのうち32%が家庭などからもち込まれるごみで、残りの31%が旅行中などに購入されたもち込みごみというデータが出ている。本来の用途である、休憩施設で発生するごみは37%だったとなると、たしかにNEXCOとしても看過できないだろう。
そして法規的に見れば、廃棄物処理法によって、家庭から出るゴミ(家庭系一般廃棄物)は、住民が居住する市町村(自治体)が責任を持って収集・処理することとなっているので、SA・PAのゴミ箱に、家庭から持ち込まれた生ごみ、資源ゴミ、粗大ゴミなどを捨てる行為は厳密に言うと不法投棄。悪質な場合、廃棄物処理法違反として、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金が科せられる可能性がある。
「ゴミはもち帰り」が原則なのはわかるが、ドライブ中、ゴミをいつまでももち歩くのもまた望ましいことではない。
となると、高速道路の利用料にゴミの処分料も上乗せして、誰もが合法的にゴミをもち込めるようにするか、有料のゴミ処分サービスを開始するのが妥当な線といえるかもしれない。もっとも有料となると、その費用を惜しんで不法投棄が増えるかもしれないので頭の痛い問題だが、ゴミを無料でNEXCOに押しつけるのには無理があるので、観光地などでのゴミ処分を含め、一度パブリックコメントなどを集めて、国民的に議論する必要がある問題だといえるだろう。
