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【試乗】アストンマーティン「S」の世界ってどんなもの? 「ヴァンテージS」「DBX S」「DB12 S」の恐るべきパフォーマンスを全開走行で味わってみた (1/2ページ)

【試乗】アストンマーティン「S」の世界ってどんなもの? 「ヴァンテージS」「DBX S」「DB12 S」の恐るべきパフォーマンスを全開走行で味わってみた

この記事をまとめると

■THE MAGARIGAWA CLUBにてアストンマーティンが試乗会を開催

■ヴァンテージやDBXのスポーツモデル「S」シリーズを試乗

■ハイパワーでありながらコントロール性に優れた特性が光る2台であった

会員制コースで英国スポーツの極みを体験

 アストンマーティンはスポーツ性能をさらに高めた「S」を主要モデルに用意した。

 会員制のドライビングコース、THE MAGARIGAWA CLUBに向かったのは、707を凌ぐ過去最強のエンジンを搭載したSUVのDBX S。純スポーツカーのヴァンテージS、それに上陸間もないGTカー、DB12 Sの3モデルをサーキット走行「のみ」で試乗する。この日の午前中はプレス向け、午後からはカスタマー対応という重要な日でもあった。

 あくまでもサーキット走行でのインプレッションなので、それが一般公道ではどのような性格になり、とくにどのような乗り味を示すかは速度域が違うため想像するのは難しく、実際のところ未確認ということをはじめにお断りしておく。

 大きく口を開いたフロントグリルは近年のアストンマーティンを象徴するものだが、黒光りするそれはSモデル全車に共通する。ボディに「S」とさりげなく入るのが識別点だ。

 1周3.5キロ、直線800m、22のコーナー数と20%勾配の上りと16%の下り、高低差80mとも130mともいうアップダウンと大小コーナーの変化に富んだレイアウトは、日本離れしていてチャレンジングで楽しい。
ただし、ここで「はい、試乗どうぞ」といわれても、まずはコースを覚えて慣れることが先決である。とくにピットレーンにわかれる最終コーナーと呼ぶべきT17は、完全に空に向かって上りながら左にコーナリングする。過去に3回訪れて、ようやく10周した程度の筆者では、上り切って水平になった途端に縁石を踏んだ、といったことがたびたびある。「ここを目指せ」的なガイドラインをコース上に書くとか、目指すポイントを示す標識の類等々がほしいと願うばかりだ。

 コースに慣れることだけで終わらないように、アストンマーティンはコースを熟知したインストラクターが先導し、それに続くカルガモ走行を用意していた。後続の技量を確認しながら先導のペース配分とドライブモードを切り替えて、コースインとアウトを含めて4周した。

 800mの長い直線があっという間に終わるのは、16%の下り坂も関係して、容易に200km/hオーバーまで速度が乗るからだ。幸い先導車がコースのレコードラインを走行してくれるので、それに追従すれば走りやすく、同時にコースレイアウトとレコードラインの習得にもつながる。

 まずはヴァンテージSから試乗する。エンジンパワーは15馬力アップの680馬力、トルクは800Nmに変わりないが、発生回転数は従来の2000〜5000rpmなのに対して3000〜6000rpmとさらに高回転まで持続させた結果、最高速度は323km/hまで伸び、0-100km/hは3.4秒、0-200km/hが10.1秒と、完璧にスーパースポーツ軍団と肩を並べる。

 数字が示すとおり、その豪快な速さは笑いしか起こらない。まるでモーターアシストがあるかの如く瞬発力とともに猛然とダッシュするが、純粋に4リッターV8ツインターボエンジンのみのパフォーマンスだ。

 スポーツから開始した走行モードは、スポーツ+、トラックと周回ごとに切り替える。スポーツでコースに慣れてからスポーツ+に切り替えた途端、閉じていた排気フラップが開き、V8の雄叫びはひときわ冴えわたる。同時にアクセル操作に対するレスポンスが鋭くなり、回転上昇も速度の乗りも急激に速くなる。

 直線では先導車に気楽について行く感覚で230km/hを超える。直進安定性が高いため安心だが、ステアリングを切れば速度に関係なくいつでも曲がる。機敏さもあるので、曲がりすぎるとも言える。それは前輪の応答性の高さを指すのだが、直進状態の切り始めからロールが自然かつ滑らかに始まり、速度からするとロール量は大きいと感じられる。

 路面を捉えてグリップしているからこそロールするのだから、その意味では安心なはずなのだが、乗員からするとロールしていく速度(ロールスピード)が速いので、そこを抑えてほしいと思うはずだ。前輪の舵角に応じて生じるロール量とインに巻き込む感覚が、時として不安定だと感じるほどの動きをするからである。

 レーシングドライバーは、ステアリングを一発でスパッと大きな切れ角を与えたりはしない。ステアリングをじわりと動かして舵角を与え、前輪がどう反応するかを瞬時に感じ取りながら舵角をコントロールする。文字にすると悠長だが、それを瞬間的な時間と操作で行う。

 したがって、ヴァンテージSのハンドリングも、じわっとロールが始まる分には不安感にはつながらないが、ステアリング操作で一発で大きな舵角を与える癖がついているドライバーは、右、左と切り返す場面があるMAGARIGAWAではボディの変化に驚く可能性があるので要注意だ。

 以上は走行モードをスポーツ+からトラックへと変更しても基本的に感じられる特性で、走行モードによるサスペンション設定の振り幅は、たとえばスポーツはソフト、スポーツ+はミディアム、トラックモードはハードと変化させてはいるのだろうが、より大きい振り幅にしてもいいのでは、と思った。

 標準のヴァンテージにMAGARIGAWAで試乗した経験がないので、この現象がヴァンテージS特有のものか判別はつけられない。次に乗るDBX Sはどう感じるのか? 乗り換える。

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