
この記事をまとめると
■令和6年に成立した「改正物流効率化法」が2026年4月から運用された
■いままで長時間の「荷待ち」「荷役」の実態が問題視されてきた
■長時間労働抑制に向けた計画書の作成が義務になっている
「改正物流効率化法」の運用でどうなる物流業界
令和6年に成立した「改正物流効率化法」が2026年4月から本格適用により、トラック運転手の負担軽減が義務化されることになった。これは、荷物の取り扱いが多く、物流網への影響が大きな荷主・運送業者・倉庫業者に、トラックドライバーの長時間労働抑制に向けた計画作成を義務化するというもので、これにより積み荷の集荷や納品時にその順番を待つ「荷待ち」や、それらを積み降ろしする「荷役」の時間を短縮し、ドライバーの負担を軽減することが目的だ。
「物流の2024年問題」が表面化し、その課題が業界全体で議論されるようになる以前から、トラックの長時間におよぶ「荷待ち」や「荷役」は問題となっており、ドライバーの仕事の大きな負担になっていた。トラック魂本誌で連載されていた、トラックドライバーの日々の仕事に密着する企画の取材の現場においても、この長時間の「荷待ち」「荷役」の実態をたびたび目にしてきた。
その現場の実態は、2024年4月以前にはとくに顕著で、そのなかにはとある大都市の中央卸売市場の門前で多数のトラックが列をなし、3〜6時間もの長時間に渡って荷降ろしまたは積み込みの時間を待たされる。または荷役の積み込み時にて、積み荷が市場に到着するのを待つために、荷役がスタートしてからすべて積み終わるまでの時間が5〜6時間にも及んだ、ということもザラだった。
改正物流効率化法によるトラック運転手の長時間労働抑制に向けた計画作成の義務化は、2024年4月1日から物流業界にも本格適用された「働き方改革関連法」によるドライバーの労働時間規制にともなって物流が停滞するとみられた2024年問題への対応として、2024年に改正した物流効率化法で規定されたもの。計画作成が課せられる業者は、扱う荷物の年間総重量9万トン以上の荷主、保管量70万トン以上の倉庫業者、150台以上のトラックを保有する運送業者が対象。その数は荷主だけで3000社と推計されている。
その計画には、積み込みや納品の予約システム導入など具体的な対策や期間を盛り込むことが課せられ、国にその実施状況の定期報告することも義務付けられる。荷主は、計画の作成・実行の責任者となる「物流統括管理者(CLO)」を経営幹部のなかから選任し、日々その業務に従事させなければならない。これらの計画に不備があったり、届け出を怠った業者には国が是正を勧告・命令する。その命令に従わなかった場合には最大100万円の罰金が課せられる。
この改正物流効率化法のうち、荷待ち・荷役時間の短縮をすべての荷主の努力義務とした規定は、昨年2025年4月に先行して施行されていたが、2026年4月からは全面施行となり、完全義務化になったというわけだ。
2024年問題のきっかけとなった2024年4月の働き方改革関連法の本格適用は、ドライバーの労働時間の抑制や運行時の休憩の義務化(この「休憩」は「430休憩」と呼ばれ、ドライバーの間では不評となっているが……)など、ドライバー自身が関わる現場における規制だったが、本年4月から適用されている改正物流効率化法の規制は、荷主・倉庫業者・運送業者とドライバーを雇用したり、仕事を発注するなど、実際に彼らの業務を管理する企業を対象としたもの。彼らにドライバーの負担を軽減させる方策や計画を課すことにより、現場のドライバーがより働きやすくなる環境が整備されることに期待したい。
