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死亡交通事故原因の1位は「漫然運転」だった! 集中しない運転のクルマは「走る凶器」でしかない (1/2ページ)

死亡交通事故原因の1位は「漫然運転」だった! 集中しない運転のクルマは「走る凶器」でしかない

ヒヤリハットではすまない注意力散漫状態での運転

「漫然運転」という言葉を聞いたことはあるだろうか? 意識や目的がはっきりしない状態で運転していること。”ボンヤリ運転”と言い換えてもいいだろう。思い当たる節のある人も多いのではないだろうか? 日常生活でボンヤリしていてもとくに大きな問題にはならないかもしれない。しかし、これが運転中となると大問題だ。

 警察庁交通局が発表した統計によれば、2024年12月末までに発生した死亡交通事故2325件うち、漫然運転による死亡事故は336件。スピード違反や飲酒運転、あるいは運転ミスといった、ほかの法令違反と比較しても圧倒的に多く、じつは死亡事故原因のワースト1位なのだった(参考のため平成25年までのデータも記載)。

 漫然運転をもう少し具体的に説明すると、「運転への集中力が低下して注意散漫の状態で運転する」こと。よく言われることだが、クルマを安全に、スムースに走らせるための基本は認知、判断、操作。この3つの行動すべてに遅れが生じて事故のリスクが急激に高まるというのだ。

 “集中力”はクルマの運転に限らず、ビジネスやスポーツ、勉強などなど、あらゆる分野で求められる能力。その高低、優劣によって得られる成果も大きく変わる。

 では、「つねに集中力を高く保って運転しなければいけないのか?」というとそうではない。クルマの運転は言ってみれば日常生活。大事なスポーツ競技や入試などに臨むわけではない。リラックスして集中力を適度に維持しつつ、ぼんやり運転するのはやめましょう、というだけの話だ。

集中力はズームインとズームアウトの繰り返し

 そもそも「集中力」とは何か? たとえばカメラのズームインとズームアウトをイメージするとわかりやすい。

 ズームインは被写体の一部分を大きくアップで映し出し、ズームアウトは広角で映し出す。クルマの運転に置き換えれば、前を走っているクルマだけを注視している状態はズームイン、ズームアウトはあらゆる方向、先々の交通状況に視線を向けている状態。どちらかだけでは安全に、スムースに走らせることは不可能だ。

 ドライバーはつねに無意識のうちにズームインとズームアウトを振り子のように繰り返し、目から得た情報を元に身体を動かし、運転操作を行っている。1点集中・全体集中とも表現し、この一連の流れがスムースであるほど、運転に集中している状態と言っていいのだという。

 ちなみに、トップアスリートのコメントで、「ゾーンに入った」という言葉がたびたび聞かれることがあるが、これは集中力が極限まで高まって、最高のパフォーマンスを発揮できる意識状態のことを指している。

運転に対する積極性

 人間が集中力を維持できる時間には限界がある。たとえば、小中高校では1コマの授業時間が40〜50分程度、大学では100分前後となっているのはそのためだと言われている。

「それはおかしい。ゲームに熱中して食事を忘れて、気づいたら夜が明けていたことがある」と反論する人がいるかもしれない。たしかに……。

 ここで注目したいのは行為対象の好き嫌いなのだ。学生時代を思い出してほしい。興味のない授業を受けることは苦痛でしかなく、頑張っても1時間もたなかったはずだ。眠気ももよおしたかもしれない。対して、興味のあることや、遊ぶことには時間を忘れて熱中し、楽しんだ(楽しんでいる)経験のある人は大半に違いない。

 これがクルマの運転だったらどうだろう? クルマに興味がなく、運転を億劫だと思っている人が、果たして「上手に運転しよう」、「ずっと運転していたい」と思うだろうか?

 逆に、クルマと運転することが大好きな人であれば、つねに自分の周囲で起こるほかの交通の動きに目が向いて、適切な運転操作で危険を回避したり、思いどおりにクルマを走らせることができたことに喜びや満足感を得て、集中力を途切らせず、運転を長時間楽しむかもしれない。

 つまり、運転に対する消極的/積極的な姿勢も集中力に大きく影響するということだ。

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