
この記事をまとめると
■イタリア人のユーチューバーがフィアット・パンダを魔改造
■ボディを切断して車幅たった50センチほどに収めた
■バッテリーで駆動するので実際に走らせることができる
車幅たった50センチ!? 驚愕のフィアット・パンダが爆誕
横から見るとパンダなのに、正面からはひとつ目小僧とか、ちょっとイカれたクルマが生まれました。イタリアの人気ユーチューバー、アンドレア・マラッツィさんがスクラップヤードから引っ張り上げたフィアット・パンダを1年かけて魔改造。しかも、車幅50センチのなかに4輪を収めるという無理スジ。アジの開きみたいなパンダですが、モーターとバッテリーで走行可能というのもバグっているかと。世界でもっとも狭く完全な機能をもつフィアット・パンダに迫ってみましょう。
マラッツィさんは、イタリアでスクラップヤードを営む一家に生まれ、幼いころから壊れたクルマをいじくりまわすことが大好きだったとか。そんな彼が動画サイトやSNSに、リビルトやカスタムといったネタをアップしはじめたのも当然の流れ。自分の家だからか、結構なやりたい放題で、それがイタリアはもちろん、ヨーロッパでは大反響を呼んでいるのです。たとえば、スクラップ同然のトラクターに、これまた解体目前だったパンダのボディを架装してみたり、フィアット・ウーノを滅茶苦茶なやり方で解体して見せたり、イタリア特有のカラッとしたユーモアに満ちているというわけ。
そんな彼が魔改造を思いついたのは、廃車になるパンダが多いという土地柄があったかもしれません。実際、イタリアでパンダのレストアやカスタムはまあまあ流行っているようで、マラッツィさんも「なにかオリジナリティを出したい」と考えたとのこと。で、お得意の解体作業からスタートするのですが、彼は壊すだけでなく作り直すことも得意中の得意。「パンダのスタイルは気に入っていたので、4輪のディメンションだけは守りたかった」とはいえ、左右のドアと車体センター部を切り離すのは大胆不敵。魚でいえば三枚におろされたようなもので、作業の途中を見れば「大丈夫かいな?」と首を傾げずにはいられません。
それでも、全長はほぼオリジナルのままですから「ドライバーだけでなく、リヤシートにも乗れるように」仕上げられました。問題は50センチの幅にコクピットやシートを収めることでしたが、うまいことベース車両のシート生地などをいかしてどうにかキャビンは形になっています。ただし、ステアリングだけは「オリジナルを使うと大きすぎて操作できなくなる」とのことで、超小径ステアリングに変更。同様に、EV化に伴った2ペダルへの変更も純正パーツの使用は見送られています。
驚くべきは前後のスクリーンを車幅に合わせて加工していることで、プレクシグラスがウェザーストリップとともに埋め込まれていること。左右のドアを精密に溶接しなければ、ここまで寸法の合ったスタイルは仕上がらないはず。結局、リヤシートは装備しているものの、「乗り降りが異様に大変」ということでひとり乗りとされていますが、たしかに子どもでさえあの屋根裏みたいなスペースには我慢がならないはず。
前述のとおり、バッテリーとモーターを使いチェーンでリヤタイヤを駆動する激細パンダ。ですが、スピードはミニマムで「笑っちゃうくらい遅い」とのこと。もっとも、この魚の開きが泳いでいるようなクルマでは、コーナーごとにヒヤヒヤすること間違いなし(笑)。遅いくらいでちょうどいいのかもしれません。
一方で、渋滞路やバイクしか通れないような細い路地では重宝すること請け合いです。それにしても、実際に走っているところを見たら、まずは目の錯覚を疑い、次にじんわりと笑みが浮かぶ。マラッツィさんのパンダは、そんな魔改造の傑作と呼んでいいでしょう。
