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これまでディーゼル車だった空港内のカーゴトラックにEVを導入! 「ANA×いすゞ」の取り組みの狙いとは

これまでディーゼル車だった空港内のカーゴトラックにEVを導入! 「ANA×いすゞ」の取り組みの狙いとは

この記事をまとめると

■羽田空港と新千歳空港に新型の作業用トラックが導入された

■荷物を運ぶ車両「カーゴトラック」にいすゞの「エルフEV」が加わった

■いすゞとANAはパートナーシップを結んでおり2030年まで運用される予定だ

滑走路でもEVが活躍し始めた

 2026年2月、日本の空の玄関口である羽田空港と新千歳空港に、街なかでも見たことのあるようなフロントデザインをもつ、新しい空港内作業用トラックが姿を現した。いすゞ自動車とANA(全日本空輸)が締結したパートナーシップにより、実証運用が開始された「エルフEV」ベースのカーゴトラック(手荷物運搬車)である。

 今まで空港内で使用されきた作業用車両の多くは、ディーゼル内燃機関を動力としている。運用性・経済性の観点からすれば、当然の選択といえよう。しかし、地球の環境問題は待ったなしの状況にある。そこで、今回のEV車両運用が決定されたわけだ。当然のことながら、目指すゴールは「2050年のCO2排出量実質ゼロ」である。

 これまでのディーゼル車両と比較して一番大きな変更点となるのは、完全な電動化(BEV化)を図ったことだ。これにより、走行時に加えて荷役作業中も完全な「無音・ゼロエミッション」が達成可能になる。一般道を走る商用EVトラックの場合は、現実問題として航続距離や日中の充電時間がネックになることが多い。これに対して、24時間稼働の羽田空港と極寒・豪雪に見舞われる新千歳空港という、どちらも過酷な環境に投入されたこの車両には、空港ならではの画期的な運用アプローチになっている。

 まず充電のタイミングだが、航空機の運航が比較的少ない深夜帯に急速充電を行うことに加え、仕分け場で手荷物を積み込んでいるわずかな「スキマ時間」にも、継ぎ足し充電を行えるように設備が整えられた。これにより、4時間充電すれば実質的には20時間の現場運用が可能になっている。

 また、グランドハンドリング(地上支援)スタッフの作業環境も改善された。たとえば、エンジン熱のないEVの弱点を補うため、シートヒーターなどの暖房アイテムを完備。さらに、外装には遊び心を取り入れ、航空機の離陸軌跡をイメージした特別な外観デザインに加えて、展望デッキからしか見えない「隠れデザイン」まで仕込まれている。

 今回の実証運用は2030年まで継続が予定されているが、いすゞとANAの長期的なパートナーシップとして計画されている。両社は、羽田のように過密なスケジュールで運用される空港における実用性と、新千歳の酷寒環境におけるバッテリー性能を徹底的にデータ化し、最適なEVソリューションを模索していくとしている真っ只中だ。

 地球環境を考えればEV化は有効性が高いのだが、空港内のすべての車両を一律でそうするわけにはいかない事情がある。なぜなら、車両によっては重量や電力消費の観点から、BEV化の難易度が極めて高いものも多数存在するからだ。そこで今後はEVだけではなく、FCV(燃料電池車)・バイオディーゼル(リニューアブルディーゼル)燃料など、多角的な技術選択によるカーボンニュートラル化も同時に進めていくとのことである。

 空港内で活躍する車両の多くは、公道を走っていないものが多いので一般の目には触れ難い。しかし、飛行機に乗るときや空港の展望デッキを訪れたときなどに、その雄姿を見ることができる。なおカーゴトラックは、主に搭乗客の荷物を運んでいるが、トーイングトラクターが引くカーゴコンテナやバルクコンテナに比べると、運用頻度は少なめなので比較的レアな車両でもある。見つけることができれば、ラッキーだ。

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