
この記事をまとめると
■チルトカウルは整備性と軽量化を追求して生まれた構造
■スーパーカーやレーシングカーを中心に多くの名車が採用
■量販車では珍しいがコルベットなどにも採用例がある
もともとは機能を優先して生まれた構造
どういうわけか、おもちゃレベルのミニカーといえども、前後にガバっとひらくチルトカウルにはワクワクさせられるもの。レーシングカーやスーパーカーの専売特許ではあるものの、なかには初代ダイハツ・コペンのように、身近なクルマでも改造パーツが用意されていたこともあるのです。ともあれ、モータースポーツにおける「整備性」と「軽量化」を追求した結果の機能美ともいえるチルトカウル、いくつかピックアップしてみましょう。
フロントがガバッと開く名車(前開き)
フロントセクションが丸ごと前方に傾くタイプ。エンジンや足まわりがむき出しになる姿は、スーパーカーのアイコンともいえるでしょう。
ランボルギーニ・ミウラ
世界を震撼させたミッドシップの元祖。じつはフロントだけでなく、リヤカウルも後方へガバッと開く美しい前後挟み撃ちスタイルが特徴です。のちにフェラーリ365/512も追いかけたことはいうまでもありません。
フェラーリF40
レーシングカーそのものの構造をもつ伝説のスペチアーレ。軽量なカーボンケブラー製の巨大なフロントカウルとリヤカウルが、それぞれ豪快に跳ね上がります。リヤカウルの一部が透明なダクトになっていて、エンジンルームが覗けるのもカッコいい演出。
ダッジ・バイパー
巨大なV10エンジンを包み込むフロントフェンダー一体の「クラムシェル・フード」が前方に大きく傾く姿は迫力満点です。設計当初からGTレース参戦を目論んでいただけに、チルトカウルは当然の帰結でしょう。
リヤがガバッと開く名車(後開き)
ミッドシップやリヤエンジンのスポーツカーに多く、心臓部であるエンジンを完全に見せつけるメカニカルな開閉アクションが魅力です。
ランチア・ストラトス
ラリーに勝つためだけに生まれた「パーパスビルトカー」。整備性を極限まで高めるため、前後ともフェンダーごとカウルがガバッと開く構造を採用しています。ちなみに、バスケットハンドルと呼ばれるルーフトップのウイングは、空力にほとんど影響していないとか。
フォードGT40/フォードGT
ル・マン24時間レースの覇者。リヤの広大なセクションがフェンダーやリヤバンパーごと後ろに開き、剥き出しのV8エンジンが姿を現します。生まれも育ちもル・マンでの打倒フェラーリですから、チルトカウルのお手本となるのも当然かと。
市販乗用車での珍しいアプローチ
一般的な量産車では、コストや衝突時の安全基準(キャビンへの攻撃性など)から採用が難しい構造です。しかし、過去には強いこだわりでフェンダー巻き込み型の開閉を採用したクルマもありました。
シボレー・コルベット(C4型)
1984年登場の4代目。チルトカウルとまではいかないものの、フロントフェンダーの上半分までを丸ごと巻き込んだ巨大なボンネットが前方にガバッと開く、非常にユニークな「クラムシェル・フード」を採用していました。アメ車ではレアな存在といえるでしょう。
ダイハツ・コペン(初代)
軽オープンカーの傑作。カスタムパーツとして、アフターマーケット向けにフロントバンパーとフェンダーが一体化して前開きになる「フルチルトカウルキット」が開発され、ファンの間で熱狂的な人気を集めました。
