
この記事をまとめると
■ホイールナットはメーカーごとの互換性は一律ではない
■適合しないナットを使用すると緩みや破損を招き脱輪事故につながる危険性がある
■タイヤ交換時は適合を必ず確認し、不安があればプロに相談することが重要だ
安易な交換は事故のもと
クルマの整備メニューのなかで、一番身近な重整備はタイヤの履き替えかもしれない。工数は少ないので、ジャッキと十字レンチがあればDIYでも十分できるが、正しい取り扱いを知らないと意外に重大事故につながりやすい。
国土交通省によると、ホイールナットの緩みや脱落が原因で車輪が外れる事故(車輪脱落事故)は、令和6年度に120件、令和5年度に142件も報告されている。ホイールナットの扱いは安易に考えないほうがいい。
一番NGなのは、ナットなんて入ればどれも同じと思わないこと。まったくやっかいなことに、一見同じように見えるホイールナットもメーカーごとにけっこうサイズに違いがある。まず確認しておきたいのは、ボルトの太さと、ネジ山のピッチ(間隔)だ。
国産車の純正ホイールの場合、ボルトの太さはほとんど12mm(M12)と同じだが、ネジ山のピッチが統一されていない。一部例外もあるが、レクサス・トヨタ・ダイハツ・マツダ・三菱・ホンダは、ネジ山ピッチが1.5mm(P1.5)。日産・スバル・スズキのネジ山ピッチは、1.25mm(P1.25)だ。
おまけに工具のサイズ=レンチサイズにも違いがあり、トヨタ、日産、ホンダ、三菱、マツダ、ダイハツ、レクサスなどは、21mmのヘキサゴン(21HEX)、スズキ、スバル、ホンダなどは19mm(19HEX)となる。
整理すると、トヨタ・ミツビシ・マツダ・ダイハツはM12×P1.5の21HEX。ホンダはM12×P1.5の19HEX。日産はM12×P1.25の21HEX。スバル・スズキは、M12×P1.25の19HEXだが、ランクルやレクサスの一部、40系のアルファード・ヴェルファイアなどは、M14×P1.5の21HEXと特殊なサイズとなる。
このほかOEM車はOEM供給元のホイールナットだったり、GR86とBRZのように共同開発車の場合は、車体のブランドとホイールナットが一致しないケースもあるので要確認。またサイズだけではなく、ナットとホイールが接する面=座面の形状も、メーカーごとに大きな違いがあるので要注意だ。
もっとも一般的なのはテーパー座(60度テーパー)タイプ。トヨタやレクサスの純正アルミホイールだと平面座(ストレート座)のホイールナットになっていて、ホンダの純正アルミホイールは球面座タイプを採用している。これだけでもややこしいのに、純正ホイールではない社外品のホイールとなるとまたマッチするホイールナットが違うので注意が必要だ。
社外品のホイールはほとんどがテーパー座タイプだが、ピッチはP1.5用とP1.25用があるのでナットが流用できるかどうかは詳しく調べる必要がある。
また社外品でも、トヨタ純正ナット対応のホイールも出まわっているので、購入時にはチェックしたい。見てきたとおり、ボルトの太さとネジ山のピッチ、座面の形状にはいくつかの組み合わせがあるが、これらが正しく適合しないと走行中にナットが緩み脱輪事故につながったり、ボルトが痛んで折れてしまったりして重大事故を引き起こすので、少しでもホイールナット選びに不安があるときはタイヤショップやディーラーなど、プロに相談・確認するようにしよう。
