
この記事をまとめると
■トヨタはGR86を一部改良し新色「ソリッドグレー」を追加した
■走行面ではスーパー耐久で得た知見を市販車へ反映している
■3眼アイサイトを採用したほかGR86 Cup Car BasicにAT仕様も追加される
見た目・走り・安全性がすべてレベルアップ
トヨタが、8月28日よりGR86の一部改良モデルの注文を受け付けると発表したGR86の先祖である86が誕生したのは2012年。以来14年にわたって「86」という名前はFRスポーツカーの代名詞でありつづけてきた。世界への出荷累計は約11万台。GR専用車種のなかでもっとも多くのユーザーに届いたモデルが、一部改良を受けまたひとつ磨かれることになった。
今回の改良でまず目を引くのは、外板色への「ソリッドグレー」追加だ。2017年に86の期間限定色として約半年間設定され好評を博したものの、以後設定されていなかったカラーが9年越しに復活する。グレーのGR86を待ち望んでいたファンには朗報だろう。
RZグレードではインテリアに手が入った。スイッチ類はグリップ性を高めながら、光を反射しづらい鋳物ブラック塗装を採用。視覚的なノイズを減らし、ドライバーが運転に集中しやすい環境を整えた。また注文時に選択できるブラック×レッドの内装色は、赤いアクセントがドライバーを囲むように配された配色へ変更されている。
走りの改良は3項目にわたる。いずれもGR86でのスーパー耐久シリーズ参戦という実戦経験が直接フィードバックされたものだ。
まずはスロットルコントロールの制御変更。コーナー出口や低μ路、ウエット路面、雪道など、繊細なアクセルコントロールが求められる場面に対応するため、踏力と加速がよりリニアに立ち上がる特性に改めた。ダイレクト感はそのままに、どんな路面でもスムースに速度をコントロールできるようにという意図だ。
EPSは高速コーナーや荒れた路面でのふらつきを抑え、狙ったラインをトレースできる正確な操舵を実現するよう制御を変更した。ミリ単位でのつくり込みを重ねることでコーナリングの鋭さ・楽しさは残しつつ、安心感のある制御を実現しているとのことで、スポーツカーらしい走りと日常域での扱いやすさを両立させる絶妙なバランスが問われる部分だ。
MT仕様については、シフトインターロックの面取りを約0.5mm拡大した。「0.5mm」という数字はかなり細かいが、限界域でのコーナー進入時に5速から4速へダウンシフトする際の操作性に直結する変更だといい、減速からターンインまでの流れを途切れさせないことを目的としている。
安全装備面では、先日発表されたBRZと同様に、アイサイトを従来の2眼カメラから3眼カメラへとアップデートした。スポーツカー特有の低い車高にあわせて専用設計したアイサイトに、視界が広角化したステレオカメラと超広角の単眼カメラを組み合わせることで、これまで以上に広い範囲の認識が可能になった。
GR86とBRZのワンメイクレース「GR86/BRZカップ」参戦用車両のエントリーグレード「GR86 Cup Car Basic」に、AT仕様が追加される(2026年12月生産開始予定)。これまでMTのみだった参戦用車両にATが加わることで、MT操作に不慣れなドライバーでもモータースポーツに参加できる選択肢が生まれる。「モータースポーツの裾野を広げる」という姿勢が、市販車の改良だけでなくカップカーの設定にも表れているといえるだろう。
税込価格はRZが6速AT 361万6000円/6速MT 351万8000円、SZが6速AT 329万3000円/6速MT 319万5000円、RCが6速MT 293万6000円となる。
