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1kmあたり3〜5億円もかかるがそれでもやるべき! 道路の「電柱」をなくし地中化する計り知れないメリットとは

1kmあたり3〜5億円もかかるがそれでもやるべき! 道路の「電柱」をなくし地中化する計り知れないメリットとは

この記事をまとめると

■国は今後5年間で1000kmの無電柱化を進めさらに約4000kmの整備計画を策定する

■高額な工事費や道路管理者との調整などが普及の課題となっている

■無電柱化は景観向上や防災だけでなく歩行者やドライバーの安全性向上にもつながる

安全な道路環境の実現に向けた重要な取り組み

 国土交通省は道路に敷設されている電柱をなくすことに取り組んでいる。今年6月に決定した第3次無電柱化推進計画では、今後5年間で新たに1000kmの目標を設定し、さらに約4000kmの計画を策定する。

 日本の道路の総延長は令和5年の数字で1285403.6kmだ。これには国道はもちろん、都道府県道や市町村道、そして高速道路が含まれている。そのうちすでに無電柱化されているのは、トンネルなど電柱がもともとない区間が約23000km、すでに無電柱化の整備が進んでいる区間が約9900kmあり、合計で約32000kmになる。つまり道路の総延長のおよそ1%というのが現状だ。

 これを踏まえると、5年で1000km、さらに4000kmという計画は、数字として控えめに見えてしまうかもしれない。一方、すでに当たり前に利用されている電柱をなくして地中に送電網を埋めるためには課題もある。ひとつは原価だ。

 かつては電線だけ地中に埋める手法で進められたが、現在はほかに水道・ガス・電話・光ファイバーなどの社会基盤設備も一緒に地中に埋める流れがあり、1kmあたりの地中化に3.5~5億円かかるという。また、高電圧の回線をひとつ地中に埋める費用は、経済産業省の試算で1kmあたり約3200万円とのことだ。これはたとえば、パリの約2600万円より2割以上高額になる。

 そのほか、道路にある電柱は道路管理者の物であり、電線を管理する側は道路使用料を支払って設置しているという関係がある。電柱でも地下化でも道路管理者との手続きなどが不可欠で、単に電力会社など電線を管理する者が自らの都合で工事できるわけでもない。

 とはいえ、電柱地中化の効用はさまざまに採り上げられている。身近な例では、街などの景観が鬱陶しいという見栄えの問題だ。電柱を地中化すればすっきり空を見上げられる。郊外においても自然の景観をより堪能できる。ここはインバウンドで経済が回っている日本での観光誘致にも関係するだろう。

 もうひとつは、狭い道路などで電柱が車道へはみ出しているとそれを避けて通行しなければならないが、電柱がなくなれば路側帯をそのまま歩けるようになることだ。ことに子供や高齢者にとって移動しやすい道となるのはもちろん、車椅子や白杖に頼って歩く目の不自由な人にもより安全や安心をもたらすことになる。クルマを運転する側も、人や自転車などが車道側へ出てくる懸念が減るだろう。無電柱化は、交通安全の推進に資することになるのだ。

 万一の災害に際しては、台風や地震などの影響で電柱が倒れる心配がなく、緊急車両の移動もしやすくなる。無電柱化の課題となってきた原価については、車道であるか歩道であるかの違いによって道路にかかる荷重の負担が変わるので、地下化するための深さを区別することで、工事費を道路の用途に応じ軽減する手法がある。また、住宅地の下水溝のような小型の箱を用い、そのなかに電線をとおす方法も許可されるようになった。その小型の箱さえ使わず電線を直接埋めることも考えられている。ただしこの方法は、電線の耐久性など含めて管理・維持をいかに実施するか検討の余地がありそうだ。

 いずれにしても、無電柱化は国土の強靭化や景観の改善にとどまらず、日々の交通の安全と安心につながる重要な取り組みである。

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