
この記事をまとめると
■法定速度を守る配送トラックは後続車からあおられることが少なくない
■ドライバー自身も交通の流れとの差にストレスを感じているのが実情
■周囲のドライバーは理解と共存が求められている
配送ドライバーが抱えるジレンマ
なにかと真面目な気質が存在する日本の国民性。自動車においても例外ではなく、改造車は基本的に歓迎されない。キャンピングカーのような真面目な改造車は別として、たとえ合法改造車であっても目立つものや、やんちゃそうに見えるものは排除される傾向にある。反社会的な存在を肯定する意図はないのだが、多少の遊び心が許される社会になってもよいのではないだろうか。
そんな真面目体質なわが国日本人において不思議に思うことが、交通ルールを守らない人が多いというところ。代表的なのが、法定速度だろう。先だってコンビニ配送ドライバーの記事を執筆させていただいたのだが、そこに「トロトロ走るな」というコメントがいくつか散見されていたことに驚かされた。記事の内容とはまったく関係のない、単なるクレームのようなコメントが寄せられていたのである。
たしかに、コンビニ配送のトラックは基本的に法定速度を遵守する。左折前の一時停止や、後退前の降車確認する会社もあるほどだ。それほど安全運転を心がけ、ルールを守って真面目に走行しているのだ。そんなコンビニ配送のトラックが邪魔者扱いされていることに違和感を覚える。そんな現状をコンビニ配送のドライバーはどう感じているのだろうか。
「時速60キロ道路ならまだしも、市街地の30キロ道路や40キロ道路では、当然のように 煽られしまいますね。黄色車線であっても、強引に抜かされたりします。もちろん後続車の邪魔になっていますし、迷惑をかけているのもわかっています。いくら法定速度だからって、こちらが正義だとは思っていないので。自分だって、プライベートで走っている時に法定速度のトラックがいたらイライラしますから。気もちはわかるのですが、配送時間もカツカツですし不要な停車も記録されてしまうので、進路を譲ることもなかなかできないのですよ。もちろん速度超過をしてしまうと、厳しいペナルティが課されてしまうので」
法定速度を肯定する回答ではなかったのが、正直意外だった。法定速度で走行しているドライバー自身がストレスを抱えていたのである。それでも法定速度を守ることは、運送会社にとって得策なのだろうか。
「交通違反や交通事故を起こす確率を減らすことは運送会社にとって永遠のテーマですから、もちろん得策ではありますね。法定速度で走行することは悪ではないはずなのですが、会社にもドライバーにも苦情が寄せられたりしますね。ドライバーからもストレスを感じるので、いいことばかりとはいえませんね。2024年問題以降、高速道路を大型トラックの法定速度である時速80キロで走ることをやめた大手運送会社もありますし、法定速度遵守というのは時代錯誤かもしれませんね。昔は得意先にもちゃんとした会社だなというイメージを与えることができましたが、いまでは大して響かないのが正直なところです。むしろ、それで間に合うのかと心配されることが増えました。その結果、周囲の流れに合わせて走るということを前提に、うちの会社でも法定速度遵守は撤廃しています。そのことで、ドライバーの笑顔が戻りましたね」
法定速度で走るトラックが邪魔だと感じる気もちを責めるつもりはない。だが、当のドライバーもストレスを抱えながら走行している。その部分を理解しながら、共存していけたら。そのような寛大な交通社会になることを、切に願いたい。
