
この記事をまとめると
■ソフトトップはの幌は多重構造で雨水の侵入を防いでいる
■正常な状態なら5年や10年程度で幌そのものが劣化して雨漏りすることは少ない
■長期間使用する場合は幌だけでなくシール部分も含めた点検が重要となる
「幌=雨漏り」は誤解
マツダ・ロードスターをはじめ、屋根が開くオープンカーといえば布製ソフトトップ、いわゆる「幌」が思い浮かぶ。晴れた日のオープンドライブは楽しそうに見えるが、雨になると布でできた幌に雨水が染みこみそうにも見える。
はたして、雨中を長時間走っているソフトトップのクルマが雨漏りすることはないのだろうか?
筆者は、過去にザ・ビートルカブリオレを所有したことがあり、現在はフィアット500eというソフトトップのクルマに乗っているが、雨が染みこむから心配という感覚はまったくない。
なぜなら、洗車の際などにソフトトップの表面をウエスで拭き上げると、すぐさま乾いていく様子を見てきているからだ。あの布は、濡れているように見えて、じつはほとんど水を吸い込まない。さらに、ソフトトップは布だけでできているのではなく、表面の布の下に防水性のあるゴムの層が控えている。
具体的に、ソフトトップはどのような構造になっているのか。マツダ・ロードスター(ND型)のソフトトップについての、マツダの公式見解を紹介しよう。
ロードスターのソフトトップは、以下のような3層構造になっている。
1層目(一番上)
アクリル(繊維内への吸水性はほぼなく、タオルなどで拭き取ると直ぐに乾いたような状態になる)2層目
ブチルシート(室内への水侵入を防ぐ為のゴム層)3層目(室内)
ポリエステル(布自体の強さの部分を補う)
マツダ・ロードスター画像はこちら
このうち耐水性は、1層目と2層目が担い、3層目はソフトトップの強度を補う役割となっている。古いタイプのソフトトップでは表面がビニール製で、そこだけで防水性を担保しているケースもあるが、いずれにしても正常な状態であれば幌に雨水が染みこんで室内に侵入するようなことはない。
ただし、ビニール素材では開閉を繰り返すことで折り目部分にクラックなどが生じて、そこから雨が入ってくることはある。とはいえ、そこまで劣化するにはかなりの時間が必要だ。現実的には、ソフトトップとボディの合わせ目にあるゴム製のシール部が劣化して、そこから雨漏りするケースのほうが多い。
もっとも、正常に使っている限り、5年程度でソフトトップ自体にクラックが入って、そこから雨が入ってくるということはないだろう。筆者がビートルカブリオレを新車から5年ほどに乗っていた経験でいえば、その期間にソフトトップ由来の心配事は発生しなかった。手放すまで防水性はもちろん、遮音性についても劣化は感じられなかった。
20世紀に製造されたソフトトップをいまだに使っているのであれば、張り替えや交換といったメンテナンスは必要だろうが、5年や10年でダメになってしまうものではない。ただし、青空駐車ばかりだとソフトトップが紫外線によって劣化するのは避けられない。それでもクラックによって雨漏りするような劣化ではなく、1層目の繊維が色褪せすることで、張り替えを検討するといったケースが多いように思う。
まとめると、ソフトトップの表層にある布は、水をほとんど吸い込まないアクリル製で、その下に控えるゴム層が鉄壁の防水性を実現している。そのため幌自体が劣化して雨が染みこむケースは少ない。布製ソフトトップだからといって心配無用だ。ただし、幌とボディの密閉を確保するシール材が傷むことで雨漏りすることはあるので、そのあたりの点検が必須なことは覚えておきたい。
