
この記事をまとめると
■自動車整備士などは作業着としてツナギを多く使っている
■機械産業が発展し始めた19世紀後半から20世紀初頭にかけて誕生した
■農作業などではオーバーオールというものが使われる
なぜ整備士たちは上下がつながった服を着る?
自動車にかかわる仕事に就いている人や、自身で愛車の整備をする人にとって”ツナギ”という存在はわりとポピュラーでしょう。そう、シャツとズボンの継ぎ目がなく一体化されたウエアのことです。
すでに一般名詞として定着していますが、その成り立ちや、なぜあのカタチになったのかを知っている人はどれくらいいるでしょうか? ここでは、その”ツナギ”を少し掘り下げてみようと思います。
整備士が着用する「ツナギ」は、日本では一般的な呼び名ですが、そのルーツは欧米で生まれた上下が1体となった作業服「カバーオール(Coveralls)」にさかのぼります。機械産業が発展し始めた19世紀後半から20世紀初頭にかけて、工場や鉄道の現場では、別体のシャツとズボンでは裾が機械に巻き込まれたり、油や汚れが付きやすかったりしてトラブルが生まれ、それを解消することが課題でした。
そこで考案されたのが、全身を覆う一体型の作業服です。安全性を高めるだけでなく、汚れや寒さから身を守る機能も備えることから、さまざまな現場に普及し広く使われるようになりました。
クルマが普及し始めると、整備士もこのカバーオールを着用するようになります。当時のクルマはエンジンオイルやグリース、ガソリン、煤などで汚れることが多く、車体の下に潜ったりすることも多いため、上着に裾があり作業中にめくれてしまう普通の服では作業になりませんでした。
そのため、全身を保護しながら動きやすいカバーオールが、自動車整備においても欠かせない作業着として定着していきます。
また第2次世界大戦中には、戦車や航空機、艦艇の整備を行う軍の整備員もカバーオールを着用していました。大量生産によってその機能性が広く知られるようになり、戦後は民間にも普及します。現在の作業服の基本的なスタイルは、この時代に確立されたものがベースになっているようです。
