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走行距離は短くとも過酷な現場! 知られざる港湾トラックドライバーの厳しい仕事

走行距離は短くとも過酷な現場! 知られざる港湾トラックドライバーの厳しい仕事

この記事をまとめると

■港湾輸送は走行距離が短くても疲労が蓄積する

■高い集中力と正確な操作が求められることも多い

■待機時間や荷役の遅れに振りまわされながら責任も重い仕事だ

港湾輸送ならではの過酷な実態

 港湾エリアで働くトラックは、長距離輸送に比べると一日の走行距離が短い場合も少なくない。数字だけを見れば体への負担も軽そうに思えるかもしれない。ところが実際の港湾輸送は、走った距離だけでは仕事の厳しさを測れない。走行以外の作業が連続し、ドライバーの体力と集中力を少しずつ奪っていくからだ。

 港では、船の入港時刻や荷役作業の進み具合、コンテナヤードの混雑、通関手続き、倉庫側の受け入れ状況など、さまざまな工程が絡み合う。予定どおりに到着したからといって、すぐに積み下ろしを始められるとは限らない。

 ゲートの手前で待たされ、入場後も指定された場所で順番を待つことがある。こうした時間は休憩のように見えるものの、実態はまったく異なる。いつ呼び出されるかわからないため車両から離れにくく、運転席で神経を張ったまま待ち続ける。真夏や真冬には車内環境も厳しく、十分に体を休めることは難しい。何もしていないように見えてむしろ疲労が蓄積するケースも多い。

 構内に入れば、短い距離を動いては止まり、ふたたび進むという操作が続く。大型トレーラーで狭い通路を曲がり、指定された位置へ車体を正確に収めなければならない。周囲ではフォークリフトなど構内車両が動きまわり、その間を作業員も行き交う。大型車には死角が多く、低速だから安全とはいい切れない。むしろ低速で細かな操作を繰り返しながら、周囲の動きを先読みする高度な集中力が求められる。接車位置がわずかにずれただけでも荷役作業に支障が出るため、何度も切り返す場面も珍しくないのだ。

 公道を一定速度で走る疲労とは、性質そのものが違う。接車作業もドライバーを消耗させる要因のひとつ。バースやホームへ後退する際には、車体の角度、後端の位置、壁や設備との距離を慎重に見極める必要がある。トレーラーの場合、トラクターヘッドと荷台は異なる軌道を描くため、小さなハンドル操作が大きなズレにつながりかねない。雨天や夜間、照明の暗い場所では緊張感はさらに高まる。接車が済んだあともすぐに気を抜けるわけではない。荷役中の移動指示に備えながら次の受付時刻や届け先までの移動時間を計算し続けることになる。港湾輸送では時間指定も重い負担となる。船便や倉庫の受付に遅れれば、その日の作業自体ができなくなることもある。

 一方、早く到着しても作業の順番が早まるとは限らず、結局は待機を余儀なくされる。自分では調整できない遅れに振りまわされながら時間責任だけは残るという構図だ。ゲート処理や荷役作業の遅れで予定が崩れてもその後のスケジュールには余裕がない。

 港では運転以外の作業も多い。受付や書類の提出、コンテナ番号、封印、荷姿の確認などで、運転席から何度も乗り降りする。大型車のキャビンは位置が高く、1回ごとの負担は小さくても、重なれば膝や腰に響く。待機、構内移動、接車、確認作業、時間管理が途切れずにつながり、落ち着いて休める時間は意外なほど少ないのだ。

 港で働くトラックの過酷さは、走行距離という数字には表れにくい。長時間走り続ける疲労ではなく、待たされる疲れ、正確に車体を合わせる緊張、低速走行を繰り返す集中力、時間指定に追われる焦りが幾重にも重なる。輸送距離が短くても、1日の拘束時間や負担まで短いわけではない。港湾物流は、わずかなミスも許されない繊細な作業を積み重ねるドライバーとその待機時間によって支えられている。

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