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骨組みだけを引っ張ってるトレーラーって何してる? じつは国際輸送に重要な役割をもっていた

骨組みだけを引っ張ってるトレーラーって何してる? じつは国際輸送に重要な役割をもっていた

この記事をまとめると

■荷台のないトレーラーは海上コンテナを載せる「コンテナシャシー」だ

■ヘッドとシャシーを切り離すことでドライバーの待機時間を短縮できる

■空のシャシーも次の輸送や回送のために港や倉庫を移動している

荷台も箱もないのに何を運んでる?

 荷台も箱もなく、細長い鉄骨のような台車だけを引いて走るトレーラー。一見すると、部品を付け忘れた未完成の車両にも見える。しかし、あの骨組みは単なる空の荷台ではない。海上コンテナを船から陸上へつなぐために使われる「コンテナシャシー」であり、国際物流を支える専用の輸送機材である。

 海上コンテナ輸送は、前方で車両を牽引する「トラクタ」、コンテナを載せる「シャシー」、貨物を収める「コンテナ」の3つにわかれている。一般的な大型トラックは運転席と荷台が一体になっているが、海上コンテナ輸送ではそれぞれを切り離して運用できる仕組みになっている。

 輸入貨物を運ぶ場合、トラクタがシャシーを引いて港のコンテナヤードへ向かう。そこでガントリークレーンやストラドルキャリアなどの荷役機械によって、船から降ろされたコンテナがシャシーの上に載せられる。

 つまり、シャシーだけで走っているトレーラーは、これからコンテナを受け取りに行く途中である場合が多い。また、倉庫や工場へコンテナを届けたあと、空になったシャシーを港や車庫へ戻していることもある。別の営業所やヤードへシャシーそのものを移動させる「回送」の可能性もあるため、なにも積んでいないように見えても、次の輸送に必要な機材を運んでいると考えればよい。

 ヘッド、シャシー、コンテナをわける方式には、輸送効率を高める大きな利点がある。港ではコンテナの荷役や通関手続き、搬出確認などに時間がかかることがあり、トラクターヘッドとドライバーがその場で待ち続けると、ほかの仕事にまわれなくなる。そこで、コンテナを載せたシャシーを構内や倉庫に置き、ヘッドだけを切り離して別のシャシーを引き取りに行く運用が行われている。

 このようにトレーラーを付け替えて輸送する方法は、一般に「ドロップ・アンド・フック」と呼ばれる。荷役中のシャシーを置いておき、準備が整った別のシャシーを連結して出発することで、ヘッドとドライバーの待機時間を減らせる。コンテナの積み降ろしを待たずに次の仕事へ移れるため、港湾輸送では欠かせない仕組みとなっている。

 ただし、どのシャシーにも自由にコンテナを載せられるわけではない。海上コンテナには主に20フィートと40フィートがあり、シャシーにも20フィート用、40フィート用、両方に対応する兼用型などが存在する。コンテナの長さだけでなく、貨物の重量や積載位置によって軸にかかる荷重も変化するため、輸送条件に合ったシャシーを使う必要がある。

 さらに、シャシーの所有者も輸送会社だけとは限らない。海運会社、港運会社、リース会社などが保有しているケースがあり、使用後の返却場所や期限が決められていることもある。そのため、港の周辺ではコンテナを積んでいないシャシーが、貸し出しや返却、付け替えのため頻繁に移動している。

 細いフレームだけの姿からは想像しにくいものの、コンテナシャシーは世界各地から届いた貨物を国内の倉庫や工場へ運ぶための土台である。シャシーだけで走るトレーラーは、何も運んでいないのではない。次のコンテナを載せるため、国際物流の現場を移動しているのである。

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