
この記事をまとめると
■トランプ関税や資材高騰で自動車メーカーの利益が大幅に圧迫された
■ホンダも日産も2026年3月の決算発表では多額の赤字を計上した
■一方で今期第1四半期決算報告ではホンダも日産も黒字を報告している
どうして数千億円の赤字だったのに黒字転換するの?
日本の自動車メーカーはこれからどうなってしまうのか。2025年から2026年にかけて、そんなふうに心配した人もいるだろう。自動車メーカー各社の四半期決算が前年同月比で減少し、通期見通しを下方修正するケースが出てきたからだ。
ただし、中国など一部の地域を除いて、各メーカーとも販売台数が大幅に減少したというわけではない。利益を圧迫した主な要因は、いわゆるトランプ関税と資材の高騰だ。
2025年4月には、これまでの2.5%に対して25%を追加して合計27.5%となり、日本からアメリカ向け、またカナダとメキシコからアメリカ向けの輸出に大きな影響が出た。その後、日米通商交渉を経て同年9月には15%へと引き下げられたものの、各社の昨年上期で利益を圧縮するカタチとなった。
また、ロシアとウクライナとの戦争などの影響で長引く資材高騰に加えて、第4四半期に入ってからはアメリカのイラン攻撃を機にホルムズ海峡が閉鎖されるなど、中東からの原油輸入の支障が重なってしまった。
一方、メーカー個社の経営状態を見ると、日産は経営再建計画「Re:Nissan」の最終年度である2026年度に向けて、グローバルでの工場閉鎖や人員削減を進めて赤字から脱却を図ってきた。
また、ホンダは第3四半期決算の時点で、北米市場に投入予定だった新型EV「Honda 0(ゼロ)シリーズの一部」の開発を凍結し、また中国市場でもEV事業戦略を抜本的に見直すとして結果、2026年3月期、および2027年3月期で合計2兆円のマイナス分を精算することが明らかになった。
こうして迎えた各社の2026年3月期決算では、やはりトランプ関税の影響が強く、各社の営業利益は前期比で減益に。とくにホンダは、前述のようにEV戦略の見直し費用の負担が大きく、最終損益は4239億円の赤字となった。ホンダとしては上場以来初の赤字決算だ。経営再建を進める日産は、前期と比べて1378億円回復したものの5331億円の赤字だった。
こうした数字を目の前にして、ユーザーとしてホンダ、日産に限らず、日本の自動車メーカーが直面している厳しい現実を実感したことだろう。
そして迎えた今期第1四半期決算だが、日産は連結営業利益が前年から1570億円改善して779億円に。また通期見通しでは中東情勢を含めて市場動向は不透明な部分があるとして営業利益を2000億円に据え置いた。
一方、ホンダは営業利益が5307億円で四半期としては過去最高。ただし、EV関連損失は第1四半期では発生していない。通期見通しでは連結最終損益が4000億円の黒字になる見通しだ。
日産とホンダを含めた各メーカーにとって、円安分での利益増加があるものの、市場におけるさまざまな変動要因の先読みは難しい状況であることに変わりはない。
