
この記事をまとめると
■GIIAS2026では欧州系高級ブランドの存在感が以前より薄れていた
■中国メーカーの展示拡大で欧州ブランドの立場が変化
■地元に根付いた日系ブランドとの訴求力の差も浮き彫りとなった
インドネシアで苦戦する欧州ブランド
東南アジアではトヨタを筆頭に日系ブランドが各国で高い販売シェアを誇っていることもあり、欧米、とくに欧州系ブランドは少々存在感が薄いように見える。もちろん、メルセデス・ベンツやBMWはインドネシアでも富裕層の間では愛用されているが、量販ブランドはかなりレアな存在となっている。一方タイの自動車ショーでは、ドイツ系高級ブランドブースは、とくにVIP客招待日には多くの来場者でにぎわい、一般公開日でも”客寄せパンダ効果絶大”といえるほどにぎわっている。
しかし、今回のGIIAS2026(ガイキンド国際オートショー2026)の会場内のドイツ系高級ブランドブースはそれほどの賑わいは見せていないように見えた。メルセデス・ベンツは数年前には出展自体を見送っている。主催者と何かトラブルがあったともいわれているが、その真相は明らかにされていない。つまり、出展者側もそれほどショーへの出展は重視していないとも捉えることができる。
中央入口から左右に二手に展示棟がわかれるショー会場なのだが、中央部にも小さめの展示スペースがあり、過去にはBMWが独占してブースを構えていたのだが、2025年はBMWグループの展示面積を縮小し、中国ジーリーがブースを構えていた。そして2026年はBMWとメルセデス・ベンツが同居していた。中国系メーカーの展示ブースが年々拡大されているなか、その割を食っているのが欧州系ブランドなのかもしれない。
そんなGIIAS2026のメルセデスベンツブースへいくと、「140周年」ということが強調されていた。この140年とはカール・ベンツが世界で初めて自動車を発明してから140年ということであった。プレスカンファレンスでは新型車の前に、カール・ベンツが発明した自動車(おそらくレプリカ)が登場したが、出席していた地元メディアの反応は冷ややかであった。一方ボルボでは「99周年」をうたっていた。これはボルボが乗用車の製造を始めてから99年という意味のようであった。
日系ブランドでもこのようなセレブリティイヤーを強調することがあるが、それは「インドネシアで販売を開始してから」など、地元インドネシアに関係する数字を出しており、これは年配のインドネシアのひとを中心に、インドネシア仕様の過去のモデルなども展示されており、かなり注目を浴び好意的に受け入れられていた。
インドネシアでもBEVの普及は進んでいるが、その主役はもちろん中国車となっている。ドイツ系高級ブランドのBEVはICE車に比べれば再販価値の下落が早く、日本ではなかなか苦戦しているように見える。インドネシアではローンで購入するケースがほとんどとなり再販価値が重視されるので、ドイツ系高級ブランドも最近ではAMGやMパフォーマンスの存在を強調している。
高級ブランドといえばその中心はレクサスとなるのがインドネシア。欧州系は日系ブランドほどは地元に根付いたビジネスを展開してこなかっただけに、インドネシアのひとから見れば「それで……」と思うようなセレブレーションイヤーを強調してきているのだろうが、新興国市場ではなかなかすぐに販売促進につながるようなアピールにはならないのではないかと筆者は考えている。
