WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

わかったようでわからない「馬力」「トルク」の違い! 結局クルマの速さはどっちで決まる?

わかったようでわからない「馬力」「トルク」の違い! 結局クルマの速さはどっちで決まる?

この記事をまとめると

■トルクはクランクシャフトをまわす力を示す

■馬力はトルクと回転数から決まる仕事率の指標

■加速はギヤ比の影響も大きく最高速では馬力が重要となる

馬力とトルクは何が違う?

 平成元年といえば、Z32やR32GT-Rが登場し、国産車の280馬力自主規制が始まった年。ちょうど同じころ、アニメの台詞で流行ったのが「力こそパワー」というフレーズだ。エンジンだって力があるのが一番偉いとなれば話が早いが、その性能を示す単位にも馬力とトルクのふたつがあるから混乱しやすい。では馬力とトルクは何が違うのか?

 基準になるのはじつはトルクで、トルクとは簡単にいうと「物体を回転させる力」のこと。この「物体を回転させる力」の「物体」とは、エンジンの場合クランクシャフトのことなので、どれだけの力でクランクシャフトをまわしているのかを示すのがトルクになる。

 トルクの単位は「kg-m」か「N・m」。クランクシャフトから長さ1mの棒を出して、その先端に吊り下げた1kgの重りを回転させる力(軸をねじる力)が、1kg-mだ。「N・m」は、1N(ニュートン)の力が物体を1m動かす時の『仕事』のことで、1Nは、1kgの質量をもつ物体に1m/sの加速度を生じさせる力だ。ざっくりいえば、排気量が2倍になればトルクも2倍になるし、1シリンダーあたりの排気量が同じなら、気筒数が2倍になればトルクも2倍になる。

 ターボエンジンも原理は同じで、過給圧が1.0kgになると吸入空気量はNAエンジンの排気量の2倍になるので、トルクも2倍になると思えばいい。目安としては、排気量1リッターに対しトルクはおよそ10kg-mで、前述のとおり、トルクは基本的に排気量に比例する。トルクがあるエンジンは力もちのエンジンなので、回転数を上げなくても発進がスムースで加速が力強い。

 一方、馬力は仕事率を示していて、単位時間に行われる仕事量の単位のことだ。蒸気機関の発明で有名なイギリスのワットが複数の蒸気機関の動力性能を比較するために考案したもので、炭鉱の排水作業を行っていた馬の能力=75kgの重さを1秒間に1m引き上げるのに必要な動力を「1馬力」としたのが始まり。

 簡単にいえば 「トルク × エンジン回転数」は「馬力」なので、排気量の大きいエンジン=トルクの大きいエンジンであれば、そのまま馬力も大きくなるし、排気量の小さいエンジンであっても、高回転までまわせれば馬力は大きくできる(正確な公式にすると「軸トルク×回転数÷716」が馬力)。

 要するに、馬力とは1分間あたりの総トルクのことなので、1分間にどれだけの仕事ができるかが勝負。したがってエンジンの馬力を上げるには、高回転化して1分間あたりの最大爆発回数を増やすことがひとつ。あるいは同じ回転数でも、多気筒化すれば1分間あたりの爆発回数が増やせるのでトルクアップし馬力も上がる。もしくは1気筒あたりの排気量を大きくするか、エンジン全体の排気量を増やして総トルクを大きくするといった方法が考えられる。

 もっとも、実際のところ、クルマの動力性能はトランスミッションやデフ、タイヤを経由して地面に伝わるものなので、力強さや加速性能自体はギヤ比でなんとかなる部分も大きいのも事実。しかしながら、速さ=トップスピードに関しては、なんといっても馬力がものをいう。なぜなら、馬力とは単位時間に行われる仕事量のことなので、移動距離が同じでもその所要時間が短いということは、そのまま馬力が大きいことになるからだ。

 そういう意味で、クルマ好きにとってやっぱり馬力が大きいクルマはエライといってもいいだろう。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了