
この記事をまとめると
■ブガッティは最新のスーパーカー「トゥールビヨン」を展開中だ
■採用されているメーターの製造は時計メーカーの「Concepto社」が担当している
■自動車史における「工芸品」のような究極の機能美をもつ逸品だ
最高峰のスーパーカーはメーターも常識はずれだった
いつの間にか、運転席の主役が液晶ディスプレイになって寂しく思っているクルマ好きは少なくないのではないでしょうか。そんな流れに真っ向から立ち向かったのが、やっぱりブガッティでした。最高出力1800馬力を発生するV16ハイブリッドという「トゥールビヨン(Tourbillon)」は、その名のとおり時計界の至宝を車名にするだけあって、超絶アナログメーターを装備しているのです。
■スイスの時計師集団「Concepto社」がゼロから設計
ブガッティがこのメーターの開発にあたって目指したのは、「100年、200年が経過してもアンティーク時計のように価値を失わず、美しく機能し続けるタイムレスな造形」でした。数年でグラフィックのトレンドが古くなり、数十年が経過したあとには電子部品の供給すら難しくなるデジタル液晶では、彼らの理想を満たすことはできなかったというわけです。
そこでブガッティがパートナーに選んだのは、自動車の部品メーカーではなく、スイスの「Concepto(コンセプトレ)社」でした。彼らは数千万円から数億円クラスの超高級時計のムーブメントを専門に手がける、知る人ぞ知る裏方のエキスパート。
彼らへのオーダーは、「550km/hの猛烈な加速や強烈な横G、そして激しい振動に耐えられる、堅牢で美しい巨大な機械式時計」という驚きの内容。その高度な要求をゼロから形にできるのは、世界広しといえどもConcepto社をおいてほかになかったのです。
■650点の精密パーツが織りなす「スケルトン」の美学
このメーターユニットを構成する部品数はじつに650点以上にのぼるとのこと。これは高級時計における「グランド・コンプリケーション(超複雑時計)」に匹敵する数字であり、これらすべてが職人の手作業でしか組み立てられません。
ハウジング(外枠)はアルミの削り出しで作られ、表面には反射を抑える特殊コーティングが施されたサファイアガラスが奢られたほか、精緻なメカニズムが肉眼で見える「スケルトン構造」を採用。ドライバーがアクセルを踏み込み、針が動くたびに、その背後で微細なゴールドやシルバーの歯車が連動し、美しく駆動する様子を特等席からいつでも堪能することができるのです。
