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「これ本当にマーチですか?」オーテックの職人の手組みエンジンを積んだ30台限定の異端児「ボレロA30」の異常なスペック (1/2ページ)

「これ本当にマーチですか?」オーテックの職人の手組みエンジンを積んだ30台限定の異端児「ボレロA30」の異常なスペック

この記事をまとめると

■日産のマーチボレロをベースにオーテックがチューニングした車両があった

■ボレロA30はオーテック創立30周年を記念して登場したモデルだ

■ボディやエンジンなどすべてに手が入った30台限定の激レアモデルだ

たった30台だけ販売されたヤバすぎるマーチ

 毎年10月初旬になると、あることを思い出す。そう、神奈川県は大磯ロングビーチで毎年開催される、オーテック里帰りミーティングだ。このイベントはその名のとおり、オーテックジャパン(現NMC)が、オーテックが手掛けた車両のみを全国から集める、メーカー公認のオフ会だ。そのイベントの内容などは割愛するが、そんなオーテックと聞いて、語らずにはいられない異色のクルマが1台あるので、今回はそちらを紹介しよう。

 それが、日産を代表するコンパクトカーであるマーチを、常軌を逸したといっても過言ではないほど弄りまわした、「ボレロA30」というクルマだ。日産マニア、もしくはマーチマニアであれば、「ボレロ」と聞いてピンと来る人も少なくないだろう。「ボレロ」とは、2代目マーチから設定されていた、それこそオーテックが内外装をレトロ&エレガントな佇まいに仕立てた特別仕様車だ。それを魔改造といってもいいほどにチューニングしたのが「ボレロA30」である。

 まずそもそもこれがどんなクルマであるのかだが、誕生の背景には”A30”の文字がヒントとなっている。これは、「Autech(オーテック)」の「A」と「30」、すなわち、「オーテック」の「創立30周年」を記念して設定されたクルマという意味が込められている。

 にしてもこのクルマ、マーチという名にしてはあまりにもボディがワイドで、クルマに詳しくない人が見ても異様なのは明らか。それもそのはずで、この「ボレロA30」は、なんと全幅1810mmと通常のマーチボレロの1665mmに対して145mmも拡大されている。トレッドはなんと90mmも広がっている。ここまで広げているクルマは、チューニングカーの世界でもそう見ない次元だ。それをメーカー直系のオーテックがやってしまうのだから異常にもほどがある。パネル類の切り貼りは、もちろん職人による手作業だ。この1810mmというサイズは、現行型の日産リーフや、トヨタのGRヤリスに近いサイズだ。ちなみに各所にボディ補強もされている。

 ホイールもとんでもないことになっている。というのも、この「ボレロA30」にインストールされているホイールは、このクルマのためだけに作られたエンケイの鍛造品で、サイズは7.5J+2というチューナーもびっくりなサイズ。ロードスターのカスタム車両などに使うような作りになっている。過去にこのホイールについて話を聞いたことがあるのだが、担当者は「ぶっちゃけ赤字に近いというかほぼ赤字なんです……」と嘆いていたほどだ。

 なお余談だがこのホイール、じつは車両販売後にこっそりオーナー以外にも少量が販売されていた。それこそ、ロードスターのオーナーなどが買っていたとか(4穴でこのサイズを履く車両は限定的なので需要も限られていた)。とはいえ、この造形美はもはやスーパーカーなどのプレミアムカーが装備するような次元だ。

 タイヤサイズは205/45R16となり、もとがマーチなのにミシュランのパイロットスポーツ3が奢られていた。「これ本当にマーチなんですか?」と、いわずにはいられない。ブレーキは4輪ともディスクブレーキだが、これはマーチ初の試みとのこと。もちろん足まわりも専用設計だが、スパルタンかと思いきや、意外としっとりした味付けだったという。ホイールベースとトレッドの比率がフェアレディZ(Z34)と同じという点も面白い。

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