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三菱ふそうと日野自動車のスタイルが融合すればシナジーは無限大! 「アーチオン」に誕生した特命チーム「ARD8」が日本のトラック業界を変える

三菱ふそうと日野自動車のスタイルが融合すればシナジーは無限大! 「アーチオン」に誕生した特命チーム「ARD8」が日本のトラック業界を変える

この記事をまとめると

■三菱ふそうと日野自動車の経営統合によって「アーチオン」が誕生した

■異なる企業風土の2社をアジャストするために「ARD8」という特命チームを組織

■すでに現場では試験設備の相互利用もスタートするなどトラック開発は加速している

経営統合から半年が経過して見えてきた「アーチオン」の姿

「AKB48」といえばいわずと知れた国民的アイドルグループ。「CR7」といえばポルトガル代表のサッカー選手クリスティアーノ・ロナウドのライフスタイルブランド(もしくは本人)。では「ARD8」といえば? ほとんどの人が答えられないだろう。答えられなくて当然だ。「ARD8」とは、三菱ふそうトラックと日野自動車が経営統合して誕生した「アーチオン」の特命組織のことなのだから。

 2026年10月19日、第3回「アーチオン・メディアコネクト」が開催された。第1回・第2回では経営トップによる説明がメインとなっていたが、今回は趣を変え、登壇したのは現場で実務を担う開発エンジニアたちだった。そして、もっとも融合が難しいとされる研究開発(R&D)の現場で、両社の企業風土の違いにどう向き合っているのかが包み隠さず明かされた。そして、この両社のカルチャーギャップをアジャストする役割を担っているのが、「ARD8」なのである。

 会の冒頭、アーチオンの小木曽CTOが「開発は所帯が大きく、もっとも融合が難しい」と語った通り、開発現場の統合は難事業だ。そこで2026年4月に結成されたのが、CTO直下の特命組織「ARD8(Archion R&D 8)」である。ふそう、日野から4名ずつ選ばれた計8名で構成される同チームは、特定部署の利害から離れた中立的立場から「技術ロードマップ」「開発プロセス」「設備」「組織」という4本柱の統合を推進する。片方の手法に一方的に揃えるのではなく、双方の強みを活かして「全体最適」を導くのが狙いだ。

 座談会形式で進行された第3回「アーチオン・メディアコネクト」で飛び出した現場のエピソードは、まさにカルチャーギャップの連続だった。

 ダイムラートラック傘下で国際化が進んでいた三菱ふそう出身の有馬氏は、「ふそうは公用語も資料も英語が中心でした。今回、久しぶりに日本語で資料を作ることになり戸惑いました。『和気あいあい』という言葉を久々に使いましたね」と会場を沸かせた。

 仕事の進め方も対照的だったという。三菱ふそうが厳格なプロセスを敷き節目ごとに白黒をつけて仕切るスタイルなのに対し、日野は人と人の結びつきを重んじて走りながら瞬時に判断して進めるスタイルだという。また「ふそうは外部パートナーを巧みに活用するが、日野は何でも自分たちでやり切ろうとする自前主義が強かった」といった違いも明かされた。

 司会から「ギャップをどう乗り越えたか」と問われた日野出身の野村氏は、苦笑い混じりに「どう乗り越えてきたか……まだ乗り越えていません(笑)。日々切磋琢磨しているのが正直なところです。技術者は自分たちが開発した製品に強いこだわりと思い入れがあります。だからこそ、意思決定に時間がかかることも多々あります」と本音を漏らした。

 だが、野村氏は「なぜ相手がその発想に至ったのか、背景や価値観を理解しようと努めることで、双方が納得できるWin-Winの選択肢が見えてくる」と続ける。ぶつかり合いを恐れず、互いの背景を掘り下げることがアジャストへの近道なのだ。

 カルチャーの融合が進む一方、具体的なシナジーも動き出している。その象徴的な出来事が「設備の相互利用」だ。 2026年9月、三菱ふそう喜連川研究所(栃木県)の台上試験機を使い、日野の大型エンジンの開発試験がスタートした。規格の違いなど多くの苦労を乗り越え、現在は両社の技術者が肩を並べてテストを進めている。

 では、三菱ふそうと日野自動車の経営統合による「アーチオン」の誕生は、ユーザーにどんなメリットをもたらすのか。エンジニアたちが口を揃えたのは「選択肢が2倍に増えたこと」だった。 稼働を止めない信頼性や経済性、脱炭素への対応など、両社が目指すゴールは共通である。異なる強みを持つ2社がひとつになることで、プラットフォームや部品の組み合わせは劇的に広がる。ARD8が意思決定を加速させられれば、顧客の多様なニーズに応える最適なトラックを、よりスピーディに市場へ投入できるようになるというわけだ。

 現場レベルでは着実に進んでいるアーチオンのカルチャーアジャスト。かつてのライバルが互いに手を取り合ってワンチームとなったとき、真の「アーチオン」が動き出す。どんな新型車が登場するのかがいまから楽しみだ。

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