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疲れにくいクルマの条件は乗り心地だけじゃない! シートに静粛性に……5つのポイントをプロが徹底解説 (2/2ページ)

疲れにくいクルマの条件は乗り心地だけじゃない! シートに静粛性に……5つのポイントをプロが徹底解説

この記事をまとめると

■運転疲労を減らすにはシートとの相性や乗り心地・静粛性が重要だ

■高速安定性や渋滞追従ACCなどの運転支援機能も疲れにくさを左右する

■車格や動力方式だけで判断せず実際に試乗して自分に合うクルマを選びたい

運転疲労はさまざまな要素によって左右される

 つぎの愛車は運転していて疲れないクルマにしたい……と考えている人もいるはずだ。若いころは、気分をアゲてくれるスポーツカーに乗れば、運転の楽しさから多少のエンジンノイズ、乗り心地の硬さもむしろ好意的に受け入れることができ、疲れ知らずでいつまでもどこまでも走っていたいと思うだろう。

 が、年齢と車歴を重ねていくうちに、そうではなく、長距離・長時間を運転していて疲れにくいクルマに惹かれても当然かもしれない。クルマを運転する機会が多いほど、である。月に何度も試乗の仕事のために箱根などに遠出し、年に何回も愛犬と西は浜名湖、東は軽井沢・那須高原に出かける機会も多い運転歴数十年の筆者もしかりだ。

 まずは運転していて疲れないクルマの三大要素だが、車種ではなく、①姿勢を保ちやすい自身に合ったシート、②乗り心地と静粛性、③高速走行の機会が多ければ高速安定性、運転支援機能の充実度……が決め手になるだろう。それがSUVであれミニバンであれ、である。

 運転中常に体を支えてくれるシートは、骨盤と背中を面で支え、沈み込みすぎない構造だと、長時間でも姿勢が崩れにくく疲れにくいとされている。国産車でいえば、トヨタのゼログラビティシート、マツダ3から始まった、骨盤を立てる自然な状態でバランスが取れるマツダの新骨格シート、レクサスの座面とサイドサポート部分の縫い合わせ部分を縫い合わせ部分の奥で縫う「深吊り工法」を採用しているシート(LBXの本革シートなど)がその代表格だ。

 一方、体が前後左右にグラグラ揺れ動いてしまうシート=ホールド性の悪いシートは、自然に体がバランスを保とうとして無意識のうちに筋肉が緊張し、運転疲労に直結してしまうのだ。

 つまり、車格を問わずいいシートを備えたクルマは大前提として運転して疲れにくいことになる。たっぷりとした体を自然に支えてくれるサイズと形状、理想のドライビングポジションがとれるシート、不快な振動を吸収してくれるシートがその基本だ。ただし、重要なのは、自動車メーカーの「いいシート」と運転者の「いいシート」は必ずしも一致しないことがある。そう、シートと乗員の体の相性である。

 一例を挙げると、筆者の愛車だった2014年型のVWゴルフ7ヴァリアント ハイラインのスポーツシートは、20台以上の車歴のなかで、その当時の筆者にとってもっともフィットし疲れないシートだった。その後、VWゴルフ7.5ヴァリアント ハイライン マイスターに乗り換えたのだが、同じ形状でも電動&シートヒーター付きの本革シートとなり、見た目と機能はグレードアップしたものの、本革表皮の張りが硬いため、体重65kgの筆者では座面のたわみ量が少なく、快適感、かけ心地では以前のファブリックシートのほうがよかった……ということになってしまった。

 クルマのシートには設計体重というものが存在し、グローバルではAM50=身長175cm・体重78kg。国産車はJM50=身長165cm・体重65kgが基準となっている。輸入車、とくにドイツ車は、身長175cm・体重78kg以下の体形の人だと、座面のクッション性不足や座面のたわみによる適切な沈み込み不足で、とくに本革シートだと快適に感じられないことも、筆者の経験のようにありうるのだ。

 では、身長165cm、体重65kg以下の人が国産車の本革シートで快適感が得られにくいかといえば、そんなことはない。確かに表皮の張りが硬くたわみ量が少ない国産本革シートもあるにはあるが、たとえばレクサスLBXの本革フロントシートは、座面とサイドサポート部分の縫い合わせ部分を縫い合わせ部分の奥で縫う「深吊り工法」を採用し、体重65kgの筆者でもじんわりとお尻が沈み込み、走り込んでも安定した運転姿勢とともに、クルマとの一体感ある運転感覚を得ることができたのである。

 よって、運転していて疲れないクルマをシートから選ぶのであれば、ある程度の時間試乗して、自身とシートの相性を含めて見極めたい。ショールームで座っているだけでは、それはわからないのだ。

 次に乗り心地だ。路面からの振動が少なく、ジョイントなどを乗り越えた時のショック、音、振動が軽微で、フラットな姿勢を保つしなやかさもある乗り心地が疲れにくさに大きく影響する。これは乗り心地が硬い・柔らかいとは別問題。乗り心地が硬めでも疲れにくい乗り味になることもあるし、乗り心地の柔らかいぶん、カーブなどでの車体の傾きが大きく、運転中の筋肉疲労につながることもあるからだ。この項目では、できれば荒れた道や高速走行などの試乗を行って判断したい。

 そして、長距離・長時間の運転での疲れにくさに大きく影響するのが静粛性だ。風切り音やロードノイズ、エンジン車ならエンジン音が小さければ小さいほど聴覚のストレスが減り、運転疲労が軽減される。プレミアムサウンドシステム搭載車ならよりいい音で音楽を聴くこともできるし、前後席の会話明瞭度も高まり、楽しく快適なドライブが可能になるというわけだ。

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