
この記事をまとめると
■フェラーリ・ローマの後継として登場したアマルフィは優雅なスタイリングが魅力
■エレガントな佇まいとは裏腹に3.9リッターV8ツインターボは640馬力を発揮する
■極上の乗り心地に後席も備えた実用性で日常使用からワインディングまで楽しめる
近年のフェラーリのなかでもベストなスタイリング
フェラーリのプロダクションモデルラインアップで、現在そのベーシックラインを担っているのは、「2+」、すなわちコンパクトなサイズではあるものの、十分に実用的な2名分の後席を備える「アマルフィ」シリーズだ。
ちなみにこのアマルフィは、それまでの「ローマ」の後継車として2025年7月にまずクーペが、そして2026年3月にスパイダーが発表されているが、今回はそのなかからいち早く日本上陸が実現したクーペを試乗した。
基本的なシルエットこそローマのそれに共通してはいるものの、チーフ・デザイン・オフィサーのフラビオ・マンツォーニ氏が率いるフェラーリ・スタイリング・センターが、じつに魅力的な造形をアマルフィに与えたことは、誰もが一様にそれを認めるところだろう。ローマで確立したデザインコンセプトを継承しつつ、それにさらに現代的なエッセンスを採り込むことで完成されたというアマルフィのスタイルは、あたかも繊細な彫刻作品であるかのような美しさを感じさせてくれるもの。
前作のローマと比較すると、フロントグリルを廃止したことや、新デザインのフロントスプリッターを採用したことなどで、全体的な印象はより前後方向に伸びやかな、そしてワイドな感覚をより強めたものに変化していることがわかる。
リヤセクションでもテールランプのデザインが一新されるなど、いわゆるニューモデルとしての斬新さは十分に演出されている。
個人的には、このアマルフィのエクステリアデザインは、フェラーリ・スタイリング・センターがここ最近生み出した作品のなかでは、ベストと評することにさえ一切の抵抗を感じさせないフィニッシュだ。同様にキャビンのフィニッシュもまた素晴らしく、ホワイトを基調色とするフル電動バケットシートやカーボンファイバー製のステアリングホイール、同素材のインストゥルメントパネルなどで構成されるコクピットは、やはりフェラーリというブランドならではの高級感と機能性に満ち溢れている。
ステアリングホイール上にレイアウトされるスイッチ類は、ローマではその多くに静電容量式が採用されていたが、このアマルフィでは走行中でも確実な操作が可能な、物理スイッチへの回帰の傾向が認められるのがうれしい。
フロントに搭載される3.9リッターのV型8気筒ツインターボエンジンを、こちらも再びアルミニウム製となったプッシュスイッチを押してスタートする。フェラーリはこのエンジンに、640馬力の最高出力と760Nmの最大トルクを掲げているが、これはローマとの比較では最高出力で19馬力がさらに強化されたスペック。ECUの性能向上によって、2基のターボチャージャーは独立して制御できるようになったほか、吸排気システムの高効率化やエンジンブロックの再設計など、エンジニアリング面での見どころは多い。
組み合わせられるミッションは8速DCT。駆動輪はもちろん後輪で、それだけでも走りへの期待は大いに高まる。
