
この記事をまとめると
■ホンダは2021年に世界初の自動運転レベル3を実現したレジェンドを発売した
■現在、自動運転レベル3に対するホンダのマーケティング活動に目立った動きはない
■交通事故死者ゼロを目指すホンダの「ホンダセンシングエリート」普及計画は継続中だ
最近は話題になることが少ないホンダの自動運転技術
ホンダが凄いことをやった。2021年3月4日、ホンダは「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」など5つの機能をもつ「ホンダセンシングエリート」を発表した。同システムを搭載する「レジェンド」が世界初の自動運転レベル3機能搭載の量産車となり、国内外で大きく報道された。
だが、最近はホンダの自動運転レベル3に関する話題は目立たない印象がある。果たして、どうなったのか?
自動運転レベルについて説明すると、レベル1からレベル5まである。このうち、レベル1とレベル2は、運転者が周囲を監視する必要がある運転支援に分類される。具体的には、レベル1は衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)や自動で車間距離を維持(ACC:アダプティブクルーズコントロール)などによる「(べダルの)フット・フリー」。レベル2は、縦・横方向に運転支援をする「ハンズ・フリー」となる。
それより上位レベルとなる、レベル3、レベル4、レベル5ではシステムが周辺を監視する。つまり、レベル3以上が自動運転の領域であり、レベル2以下は運転支援という分類という建て付けだ。
その上で、レベル3は一定の条件下で自動運転が可能。ただし、条件外では、ドライバーが安全を確認する。要するに、システムが自動運転の継続が難しいと判断した場合、システムが運転者に運転を依頼する形をとる。レベル3では、車載の画面での映像の注視や、携帯電話の使用も可能だ。そのために「アイズ・フリー」とも呼ばれている。
次に、レベル4になると、一定条件下で自動運転となり、かつ条件外でも車両が安全を確保する。つまり「ドライバー・フリー(無人運転)」となる。さらに、レベル5は、いつでも、どこでも、無人運転が可能であるが、これが現在の技術としては理想論という位置付けだ。
こうしたなかで、ホンダのレベル3量産化は自動運転における大きな功績だった。だが、開発コストが高く、また乗用車における自動運転技術はレベル2を高度化する傾向が自動車産業界で高まったこともあり、ホンダの自動運転レベル3に対するマーケティング活動はあまり目立たないといえる。
現状を知るため、ホンダが事業全体についてまとめた「ホンダ レポート2025」をチェックしてみよう。
それによれば、ホンダは2021年4月の時点で「2050年に全世界でホンダの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロを目指す」と宣言。その上で、「2030年に全世界でホンダの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者を2020年と比較して半減させる」としている。
この目標を実現するために、技術領域として「モビリティの性能」、システム・サービス開発の面で「交通エコシステム」、そして啓発活動による交通社会に関わるすべての人の体験・知識・意識の向上をサポートする「人の能力」という3つの安全要素が相互連携する形を目指している。
このなかで、「モビリティの性能」には先進運転支援システムと自動運転の社会実装が含まれる。ベースとしては、2014年に量産化した先進運転支援システム「ホンダセンシング」をグローバルで展開。また、自動車の普及率が高く、交差点など多様な事故リスクがある先進国では、前後左右をカバーする全方位センシングを備えた「ホンダセンシング360」を展開する。さらに、高速道路での渋滞時などの条件下で自動運転が可能な「ホンダセンシングエリート」の展開を広げるとしている。
ホンダの目標値としては、2030年時点でホンダセンシング360を先進国の四輪車で100%、新興国の四輪車ではホンダセンシングを100%、また新興国の二輪車で先進ブレーキシステムを100%としている。ホンダセンシングエリートについては、市場環境に応じた普及を考慮するため具体的な数値目標は公開していない。
いずれにしても、レベル3機能をもつ「ホンダセンシングエリート」の量産化計画は継続していくことになるようだ。
