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新型トヨタ・カムリ登場でにわかに活性化! 今どきセダン事情とカムリvsライバルたち (2/3ページ)

新型トヨタ・カムリ登場でにわかに活性化! 今どきセダン事情とカムリvsライバルたち

もうオヤジグルマの時代じゃない! 今どきのセダン事情とは

 今でこそ北米市場で圧倒的な支持を集めているクルマだが、国産セダンのなかでは息の長いモデルであり新型カムリに対するユーザーの期待は大きい。果たして新型カムリは不振と言われ続けているセダンクラスの動向に一石を投じることができるのか、昨今のセダン事情を踏まえながら検証していきたい。

今や年配ユーザーの定番クルマではない

 セダンに対するイメージは、概して「オヤジのクルマ」というものだろう。実際、街なかで見かけるセダンに乗っているのは年配ユーザーである確率が高い。しかし、ポジティブな捉え方をするなら、落ち着いた大人にこそ似合うクルマということが言える。どのジャンルよりも折り目正しく、TPOを選ばずどこに乗り付けても違和感を与えない。それがセダンというクルマだ。

 しかも今どきは、オヤジ的イメージを払拭したスタイリッシュなモデルが増えた。

 マツダ・アテンザ、日産スカイライン、トヨタ・マークX、そしてクラウンですら、躍動感を強調したアスリートをラインアップし、かつて定番だったロイヤルシリーズよりも売れている。

 新型カムリの狙いも、セダンに根強く残るオヤジ的なイメージからの脱却であることは、そのデザインからもわかる。あえてセダンの王道をはずしたチャレンジングなスタイルとすることで、「間違いのない」選択だった先代とは明らかに異なる方向へ舵を取ったことが見て取れる。

セダンクラスの人気動向を販売台数ランキングでチェック

 累計販売台数が9万台を超えたトヨタ・プリウスは、セダンクラスだけでなく全ジャンルを含めてもトップとなる。

 ちなみに総合順位の2位以下は日産ノート、トヨタC-HR、トヨタ・アクア、ホンダ・フリードと続き、セダンでトップ30に入ったのはスバル・インプレッサ、トヨタ・カローラ、トヨタ・クラウン、マツダ・アクセラのみとなる。カムリはモデル末期だったことを加味しても日本市場における支持率は高くなかった。どこまで巻き返せるかが復権のカギとなるだろう。

トヨタ製セダンのなかにおけるカムリのポジショニング

 カムリはFFベースの車種のなかでは上位に位置づけられる。FRベースのマークXやクラウンと比較した場合でも、内外装の質や機能、装備の充実ぶりなどは遜色のないレベルにある。事実、新型カムリはトヨペット店、トヨタカローラ店、ネッツ店で販売されるが、トヨタ店で扱わないのはクラウンとの競合を避けるためだと言われている。そうした背景からも、新型カムリはモデルチェンジで上級移行を果たしたと言っていい。

セダンをあえて選ぶ意義は乗ってみれば明確になる

 エンジンルーム、キャビン、トランクルームが分割された3ボックススタイルは、車格を問わずクルマに求められる性能が高めやすい。とくにボディ剛性の高さは不要な振動が抑えられたり、衝突安全性に優れるといったメリットをもたらす。また、実用面ではSUVやミニバンほどにオールマイティではないものの、必要な機能、装備が設けられているので日常的な用途で不満に感じることがない。

【優位性を考察】カムリがセダン復権のカギを握る理由

 カムリと競合する国産セダンは実力派が顔を揃えている。しかし、見栄えがよく、走行性能に長け、機能が充実しているうえに、上質な作り込みがなされているなど、能力が全方位で調和されているという点ではカムリに分がある。あらゆる部分を刷新しながらも、北米市場で「間違いのない選択」と評価されていた先代型の素性のよさが新型にも息づいているのが見て取れる。

 車格はミドルサイズセダンに位置づけられるが、ボディサイズは国産ならトヨタ・クラウンやレクサスGS、日産スカイラインなどと同等だ。ただし、車両価格はエントリーに位置づけられるXが329万4000円で、売れ筋になるであろうGが349万9200円。輸入車も含め、概ね500万円超のプライスが付けられた高級セダンよりも断然リーズナブルではあるが、クルマの作りや質にネガティブな印象はなく、むしろコストパフォーマンスの高さに満足させられる。

 最新こそが最良であることは定石だが、それを抜きにしても、新型カムリには買いの理由を十分に見出すことができる。TNGAに基づいた新しいプラットフォームの採用。ハイブリッドユニットや電子系をはじめとしたすべてのパーツが刷新されたことで、国産はもとより輸入セダンとの比較においても十分な競争力を手に入れた。

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