WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

トヨタがついにル・マン24時間レースを制覇! 「勝って当然」ではない価値ある勝利

トヨタがついにル・マン24時間レースを制覇! 「勝って当然」ではない価値ある勝利

日本人ドライバー2人が乗り1-2フィニッシュ

 ル・マン24時間レースにトヨタがTS050ハイブリッドでワンツー・フィニッシュを決めた。ここ2年、優勝直前で無念の涙をのんだトヨタ。今年はLMP1クラスにポルシェ、アウディなどのワークスライバルがいない中、「トヨタが勝つのは当たり前。優勝に大きな意味がない」と言う人もいるが、そんなことはない。24時間を、世界最高速度のレースの中で戦いぬくことは、並大抵のことではない。

「今年はヒューマンエラーとの闘い」、と始めからTOYOTA GAZOO Racingの村田久武WECチーム代表が言ってっていたとおり、マシンの戦闘力としてはナンバー1だった。チェッカーを受けた最終ドライバーの中嶋一貴選手は「自分自身との闘い」だと言いながら本当に冷静にクルマを走らせた。チームの形を変えながら、トヨタとしては30数年間のチャレンジの末、やっと優勝を決めた。しかも2台がワンツー・フィニッシュで日本人ドライバーが走った。まさに悲願の優勝である。中嶋一貴選手は父親の中嶋悟選手が30年前にル・マンに挑戦しているから、長い長いチャレンジの末、父親に最高のプレゼントをしたわけだ。

 フランスのサルト・サーキットで行われていたWEC世界耐久選手権第2戦「第86回ル・マン24時間レース」は6月17日の15時(フランス時間)に終了。TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050が総合優勝を飾った。8号車のドライバーは中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソの3人組。2位に入ったのは同じくトヨタの7号車でドライバーは小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3人。


 レースはスタート直後に、クラッシュが発生するなど波乱の幕開けだった。8号車と7号車は、ワンツーを走りながらも中嶋一貴、小林可夢偉の両ドライバーがトップ争いを展開し、抜きつ抜かれつのバトルも見せた。一時は本気のバトルだったから面白い。クラス違いのたくさんのマシンが混走するなか、ひやりとする場面もあったが、最後までノントラブルで完全優勝をかざった。ル・マン24時間レースのレギュレーションは来年までこのままだが、2年後からは新しいレギュレーションで戦うことになる。

 思えば、パワーユニットも大きな変化を遂げてきた。27年前に日本車として初めて優勝したマツダのエンジンはロータリーエンジンだった。もちろんロータリー初の快挙だったが、厳しいレギュレーション変更でロータリーは不利になった。レシプロのガソリンエンジンも大きく変化したが、その後アウディがディーゼル・エンジンでル・マンに挑戦、優勝を勝ち取っている。今回のトヨタTS050はハイブリッドだ。そして時代は電気自動車にシフトを始めている。果たして今後のル・マンがどう変化するのか? たとえレギュレーションが変わってもル・マンは耐久レースの頂点に位置する。

 さて、今年注目されたことはトヨタのドライバーとして、あのF1ドライバーのフェルナンド・アロンソ選手が加わったことである。世界中のメディアが、かつてのF1チャンピオンのアロンソに注目。中嶋一貴選手と同じ8号車で見事な走りを披露した。アロンソの目標は世界3大レース制覇にあるようで、次は「インディ500挑戦」に期待がかかるのもトピックスだ。

 ル・マン24時間優勝を決めたTS050ハイブリッドは別の意味でも注目だ。すでにプロトタイプを公開した次世代のハイブリッド・スーパースポーツカー「GR Super Sport Concept」の存在だ。GRシリーズの頂点に立つイメージリーダーカーで、TS050ハイブリッドをベースにしたロードカーだ。この優勝で、市販に向けた開発が加速するに違いない。

 この秋の10月、ル・マン優勝マシンTS050ハイブリッドとドライバーたちが、富士スピードウエイのWEC世界耐久レース選手権で凱旋する。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了