WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

【試乗】痛快の極み! up! GTIはかつて日本を沸かせた弾丸ハッチの再来

【試乗】痛快の極み! up! GTIはかつて日本を沸かせた弾丸ハッチの再来

GTIらしい味付けでまるで別物のようなパワフルさを体感

 爽快痛快、リトルギャング再燃!! 昔はこのコンパクトサイズにパワフルな1.3リッター以下のユニットを搭載するスモールクラスが国産にも溢れていた。だが、いつしか優等生に成長し面白みのないモデルに落ち着いてしまった。そんな事を知る世代に、過ぎ去ったやんちゃなモデルたちを彷彿とさせるのがup! GTIだ。

 6500rpmで回転リミッターを連打する1リッター3気筒のスポーツエンジン。何の変哲もない3気筒ユニットがGTI用にチューンされると116馬力/200N・mに変貌し、搭載された1トンのボディを、0-100km/h加速8.8秒。最高速196km/hまでカッ飛ばす!!

 そのサウンドがまたふるってる。まさにレーシングV6の“片バンク(直列3気筒)”の印象で、ボディサイズからすると、子どもがおとなのバリトン声を発声するような勇ましいもので、ともかくGTIとはいえup!の姿カタチにそぐわない豪快な“ミスマッチ感”がいい。

 コンパクトなup! GTIだが、GTIの元祖、初代ゴルフGTIとサイズ的にほぼ同等(3625×1650×1485mm/up! GTI)。改めて初代と並べると、初代の車高の低さを認識。さてup! GTI、ヒラヒラと木の葉が舞うかの如くタイトなコーナーをすり抜けて行く、そんなリトルモンスター(いろいろな俗称があった)が欲しかった!! と思うのはこのクラスが活況を呈した当時を知る50歳代かも。

 サイズはスモールでも、ボディの剛性感やステアフィールが大人びているのはVW流儀。しっとり落ち着いたサスのストローク感は、とてもスモールクラスとは思えない精度と質感。

 トラクションコントロールのスイッチをOFFにして、サーキットで全開走行してみる。フロントの接地感、操舵に対するレスポンスはクイックだ。しかしそれに負けじとリヤの接地性も高く、ハードブレーキングしながらコーナーに進入して行く際のリヤタイヤは路面を捉えて離さない。それは17インチタイヤと10mmローダウンしたGTI専用サスの威力。オーバークオリティだと思うグリップ力だが、アンダーステアの度合……、過去にup!でアンダーステアを経験するほどキビキビ走れた事はない。

 それでもアンダーという言葉を使うほどに成長した事が嬉しい。で、オーバースピードではない状況でのアンダーステアはポロGTIよりもup! GTIは小さく、ほぼニュートラル特性。だからなおさら楽しめる。

 6500rpmを上限に引っ張ると1速48km/h、2速85km/h。3速以上と100km/hの回転数は走りに没頭して確認忘れ。直進性、ステアリングが中立で安定するSAT=セルフアライニングトルクがしっかり立つので安心。

 A・B・Cペダル……そう、これはクラッチペダルの操作をついうっかり忘れてしまうほど加速が気持ちいいが、6速MTのみの設定だ。ま、この操作感も縦横ゲート感確実なおとなのシフト感。ヒール&トゥ(捻りでトゥ&トゥ)でブレーキングとエンジン回転合わせをドライバー自身のスキルで調整しながら操る、何とも懐かしく楽しい。

 GTIのお約束、赤いラインとタータンチェック柄のシート、黒内装もup! GTIに凄みを増す。最初の600台は2ドアのみ。使い勝手はともかく、2ボックススタイルはドアの大きさのバランスから言っても2ドアが断然クール。本国には4ドア版モあるが、それが入るか否かは今後の話し。

 すでに400台は売約済み、そりゃこの内容を知れば、219万円は値付けはバーゲンプライスだから、気になるのならディーラーへダッシュせよ。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了