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【試乗】トヨタ新型スープラはリアルスポーツカー! 限界域ではややトリッキーな動きも (2/2ページ)

【試乗】トヨタ新型スープラはリアルスポーツカー! 限界域ではややトリッキーな動きも

兄弟車となるBMWのZ4とは立ち位置が異なる

 兼ねてからウワサになっていたトヨタの新型スープラの姿を初めて見たのは、今年3月、ジュネーブモーターショーだ。その時はレース仕様として展示されていた。具体的プランはまだないが、レースに出ることを想定し、モディファイの範囲を広く「レースカーにしやすい」ベースモデルとして開発しているとのことだった。この時点で、従来のトヨタのクルマ作りとはまったくアプローチが異なる。そして、ホンキ度がうかがえた。

 BMWとの協業により作られるというのも興味深いところだ。スープラは、「オープンモデルのBMW Z4をクーペにし、バッヂをトヨタに付け替えた程度」と思ったら大間違いだ。確かに、シャシーやエンジン&トランスミッションといった大物こそ共通だが、開発チームも別々で、チューニングはまったく別物、スープラはトヨタのテストドライバーが行った。

 もっとも、ブランドやクルマの立ち位置を考えれば容易に納得できる。BMW車については一切言及していないが、Z4はオープン2シータースポーツカー。そして、BMWには、「M」というモータースポーツ直系のブランドがある。故に、スタンダードモデルはさほどトンがったチューニングにはせず、ラグジュアリーとスポーツを融合させたものとする。一方、スープラは、GRカンパニーとして最初に手がけたクルマであり、目指すは「リアルスポーツカー」。となれば、確かにブランドとしての乗り味の違いはもちろんのこと、チューニングの落とし所も自ずと異なるだろう。

 期待は高まるばかりだったが、今回、ようやくプロトタイプに試乗することができた。まだカモフラージュのマスキングが施された状態ではあるが、スタイリングの雰囲気は十分にわかる。新しいのに、どこか80スープラを彷彿とさせる雰囲気があるのには、嬉しさと驚きがあった。リヤフェンダー周りはグラマラスなボリューム感があるが、全体的なサイズ感は大き過ぎず、ジャストサイズな印象だ。2シーターと4シーターの差はあるが、ホイールベースは86より短いという。

 クルマの運動性能の素性は、ホイールベースとトレッドの関係で8〜9割方決まり、その黄金比が1.6と言われているが、スープラはそれを下まわる数値を実現したという。まずはこれをベースにクルマ全体のレイアウトを決めていった。低重心もハンドリングには重要な要素。ちなみに、86より重心も低い。

 そもそも、スープラがスープラたる定義は? 「FRの駆動方式、そして直列6気筒エンジンを搭載している」こと。幸い、BMWは直6の気持ち良いエンジンを有する。そして、50:50の重量配分へのこだわりもブランドのコアバリューのひとつ。この辺りは、スープラ開発にとって、大きなプラスとなっただろう。

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