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小型ミニバンに「ほとんど座れない」3列目席が設定されたワケ (2/2ページ)

小型ミニバンに「ほとんど座れない」3列目席が設定されたワケ

3列目席を取り払ったフリードやシエンタが大ヒット!

 ミニバンとは、多人数乗用車と呼ばれるように、セダンなどの2列シート、最大5名乗車のクルマでは乗車できない乗員を乗せることができるのが、大きなメリットだ。海外ではサッカーマムなどと言われる、団体スポーツをしている子供を乗せるのに便利なクルマとしても重宝されている。

 が、トヨタ・アルファード&ヴェルファイアのような大型ミニバンならともかく、これまで、国産ミニバンには、コンパクトなボディサイズの、「ほとんど座れない」3列目席を持ったクルマ、そして中型SUVでも狭すぎる3列目席を持つクルマがあった。

 具体例では、3列目席の膝まわり空間が2列目席スライド位置を最後端にすると0mm、いや、膝が2列目席のシートバックに食い込むようなコンパクトミニバンもあったし、それは中型SUVの3列目席もしかり。そうしたクルマは、実際、3列目席は格納したままで、ラゲッジスペースを拡大して使っていたユーザーがほとんどだったのである。

 自動車メーカーは、「ほとんど座れない」評判を解消すべく、いまではフリードやシエンタといった、5ナンバーサイズ、全長4mちょっとのコンパクトミニバンでも、2列目席スライドを前出しすることで、大人でもそれほど窮屈な思いをせず、乗車できるパッケージングを実現しているのだが、じつは、フリードもシエンタも、シリーズ途中で、3列目席を取り払ったフリード+、シエンタFUNBASEを追加設定していて、それがヒット。5ナンバーサイズの大容量ワゴンという、それまでになかったジャンル、需要を開拓している。2019年の8月、9月に、シエンタが乗用車販売台数1位の座につけたのも、FUNBASEあってのことだと推測できる。

 とはいえ、ミニバン=多人数乗用車でありながら、2列目席に対してかなり居住スペース、シートの仕様、着座感で劣る、狭い3列目席を設定してきたのはなぜか?

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