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ライバルに「劣る」面も結構ある! それでもホンダN-BOXが圧倒できる「挫折の経験」とホンダならではの強み (1/2ページ)

ライバルに「劣る」面も結構ある! それでもホンダN-BOXが圧倒できる「挫折の経験」とホンダならではの強み

N-BOXは広さや収納設備、燃費の良さが高人気につながった

 ホンダN-BOXは国内販売の絶対王者だ。2017年から国内販売の1位を独走しており、コロナ禍でもその位置付けは変わらない。

 直近の2020年8月には1万4514台を届け出して、2位になったトヨタ・ヤリスの1万1856台に大差を付けた。ライバル車のスズキ・スペーシアは1万579台、ダイハツ・タントは9151台だからN-BOXの1人勝ちが続く。

 N-BOXの売れ行きを押し上げた機能的な特徴は、軽乗用車でもっとも広い室内だ。全高は1790mmと高く、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も軽自動車で最長の2520mmになる。後席のスライド位置を後方に寄せると足もと空間が大きく広がり、たためば大容量の荷室になって自転車も積みやすい。現行型は衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能も進化させた。

 しかし車内が広く、安全装備などの充実した軽自動車はN-BOXだけではない。全高が1700mmを超えるスライドドアを備えたライバル車は、いまではすべて同様の特徴を備える。とくに車間距離を自動制御できるクルーズコントロールは、N-BOXでは時速25kmを下まわると制御がキャンセルされるが、タント、スペーシア、日産ルークス、三菱eKスペース/eKクロススペースは全車速追従型だから制御を続けられる。つまりN-BOXが劣った部分も少なくない。それなのになぜN-BOXは好調に売れるのか。この背景には複数の理由がある。

 まず2011年に登場した初代(先代)N-BOXの功績が大きい。9年前の時点では、当時販売されていたタントやパレット(スペーシアの前身)に比べて、N-BOXの車内は明らかに広かった。後席の足もと空間もタップリしていて、スライドドアの開口幅もワイドだ。後席をあまり使わないユーザーも「これは凄い!」と感心して購買意欲を高めた。車内の広さは感覚的に損得勘定に置き換えられ、小さな軽自動車が広い室内を備えると、2名で乗車するユーザーもトクした気分になるのだ。

 そして近年では、クルマが好調に売れる条件として「実用的なサプライズ」がある。「広い/収納設備が多い/燃費がいい」といった目立つ実用的な要素があると、実際のニーズ以上に売れ行きを伸ばす。N-BOXもこのインパクトで好調に売れて、2代目になる現行型の高人気につなげた。

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