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「優れた性能」をもつライバルを圧倒! 「トヨタ車」がバカ売れする「販売力以外の」理由 (2/2ページ)

「優れた性能」をもつライバルを圧倒! 「トヨタ車」がバカ売れする「販売力以外の」理由

いいクルマづくりだけではダメな場合も……

 2020年における国内の新車販売台数を見ると、トヨタ(レクサスを含む)が小型/普通車の50%以上に達した。今は国内で売られる新車の37%が軽自動車だから、これを含めるとトヨタのシェアは33%まで下がるが、小型/普通車市場では圧勝だ。

 なぜトヨタ車ばかり売れるのか。その背景には複数の理由がある。

 まずは商品力が高いこと。たとえば最近とくに販売の好調なアルファードは、2021年の1、2月に、1カ月の登録台数が1万台を上まわった。小型/普通車では最高峰の売れ行きだ。トヨタが全店で全車を売る体制に変わり、アルファードが1万台に達してヴェルファイアは1000台以下まで下がった事情もあるが、それにしても絶好調だ。

 一方、ライバル車のオデッセイは2021年1月が935台、2月も1583台に留まる。そこでオデッセイとアルファードのクルマ作りを比べて、トヨタ車が売れる理由を考えたい。

 まずオデッセイは、現行型でシャシーを新設計した。スライドドア部分の床面地上高を低く抑えて乗降性を向上させている。

 床を下げたことで、床から座面までの間隔も適度に広がり、着座姿勢が最適化された。とくに3列目は、アルファードでは床と座面の間隔が足りずに足を前方へ投げ出すが、オデッセイなら快適だ。

 さらに、低床化を生かして天井も低く抑えた。2WDの全高は1700mmを下まわるが、床も低いため、室内高には1325mm(ノーマルエンジン車)の余裕がある。

 以上のようにオデッセイは、床を低く抑えて乗降性を向上させ、着座姿勢も優れ、天井も低いから重心が下がって走行安定性も優れている。オデッセイは低床設計によってすべての機能を向上させたが、売れ行きは前述の通り伸び悩む。

 一方、アルファードも現行型でプラットフォームを刷新させた。オデッセイのように床を低く抑えることも可能だったが、それはしていない。若干低くなったものの、床面地上高は450mmだから、オデッセイに比べて100mm以上高い。そのためにサイドステップ(小さな階段)を介して乗り降りする。乗降性はオデッセイよりも悪い。

 そしてアルファードは床が高いから、3列目に座ると、床と座面の間隔が不足して着座姿勢が不自然だ。全高は1935mm(ノーマルエンジン車)と高く、オデッセイを240mm上まわる。そのために重心が高まって走行安定性でも不利になった。このようにアルファードの機能は、オデッセイに比べて劣る面も多いが、売れ行きでは圧勝している。

 アルファードが販売面で勝った理由はまず外観だ。アルファードは全高が240mm高く、フロントマスクにも厚みがあり、仮面のようなデザインに仕上げた。そのため外観の存在感がオデッセイに比べ大幅に強い。

 車内に入ると、アルファードは床と着座位置が高いため、周囲の見晴らし感覚が良い。オデッセイのようなミニバンやSUVと並んでも、それを見降ろせる高さがあるから、ドライバーや乗員の気分も盛り上がる。

 加えてアルファードは全高がオデッセイに比べて240mm高いから、頭上空間にも余裕がある。内装はメッキパーツを多用して豪華に仕上げ、上級グレードには固定されたアームレストを備えるエグゼクティブパワーシートやエグゼクティブラウンジシートも採用した。

 自動車のさまざまな機能をバランス良く向上させるには、オデッセイのように、必要な室内高と最低地上高を確保した上で、天井と床を可能な限り低く抑えるのが理想だ。

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