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日本車もやるときゃやる! 本物志向の「ドイツ」で選ばれる国産スポーツモデルとは

日本車もやるときゃやる! 本物志向の「ドイツ」で選ばれる国産スポーツモデルとは

マツダのスポーツカー好きが多い印象

 そもそも、ジャーマン3(ダイムラー、BMW、フォルクスワーゲングループ)のお膝元であるドイツで日本のスポーツカーは人気があるのか? 人気の基準について明確な資料がある訳ではないが、筆者は過去30年間あまりに渡りドイツ各地を取材などで訪れてきた経験から、複数の日本車の名前が思い浮かぶ。

 筆頭は、もちろん、マツダ「ロードスター」である。

 クルマ王国ドイツであるからこそ、スポーツカーに対する本物志向が強く、そうしたドイツ人の厳しい目にもロードスターは十分に耐えられる逸品だと思う。

 マツダによると、1989年登場の初代ロードスター(NA)、1997年登場の二代目(NB)、2005年登場の3代目(NC)、そして2015年登場の4代目(ND)の2020年末までの販売台数を仕向け地別でみると、もっとも多いのが北米で50万4882台である。これに欧州の37万1891台、そして日本の20万4583台が続く。

 欧州内での国別販売台数までは公表されていないが、筆者の感覚的にはバックヤードビルダーの聖地でありライトウエイトスポーツカーの生まれ故郷である英国、そしてクルマ王国ドイツでロードスターの需要が多いと考える。

 ロードスターのみならず、マツダのスポーツカー好きなドイツ人も多い。かなり前の話だが、いま(2021年)から約20年近く前となる2000年代の始め、ドイツ国内のマツダR&Dで当時のアクセラ、アテンザ、ロードスター(NB)、そしてRX-8を借りてニュルブルクリンクのスポーツ走行の取材をしたことがあった。

 フランクフルト市街のホテルからニュルまで往復したが、アウトバーンでRX-8の最高速度は約240km/hで安心して巡航できた。途中のサービスエリアで休憩していると、見知らぬ初老の男性が「これは、ヴァンケル・エンジンのクルマだね」と笑顔で近づいてきたことがある。

 ヴァンケルとは、ロータリーエンジンの基礎を作ったとされる、フェリクス・ヴァンケル氏を指す。こうしたマツダをよく知る一部のドイツ人には、RX-8に対する理解が深かったが、人気かどうかと言われると、この当時でもロードスターのほうが上だったように思う。

 このほか、ドイツで人気の日本のスポーツカーでは「GT-R」の名前も挙がると思うが、ニュルのスポーツ走行で見かける「GT-R」や「STI」系の各モデルは英国からドーバー海峡を渡ってきたディープな日本車ファンが多い印象がある。

 また「86」と「スープラ」についても、アメリカほどではないが、幅広い年齢層のユーザーに根強い人気がある。そうしたユーザーは当然、新生スープラがBMW主体で設計され、製造はドイツ隣国のオーストリアであることを承知の上で、「Z4」では味わえないトヨタテイストを「スープラ」に求めているのだと思う。

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