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「悪路以外は2WDのほうが上」は昭和の考えだった! いまどきSUVのヨンクは舗装路や使い勝手でもメリット大 (2/2ページ)

「悪路以外は2WDのほうが上」は昭和の考えだった! いまどきSUVのヨンクは舗装路や使い勝手でもメリット大

AWDのほうが乗り心地が良いクルマも!

 かつて、同じクルマの2駆と4駆を比較した場合、2駆のほうが乗り心地がよい、静かに走る……というケースがままあった。しかし今では駆動方式によって乗り心地や車内の静かさが大きく異なることはまずなくなったと言っていい。SUV人気もあって自動車メーカーは、FFはもちろん、AWDモデルでも快適性や静粛性にまったく手を抜いていないからでもある。

 ところで、SUVのAWDというと、悪路の走破性に最大のメリットがあると感じているかも知れない。たしかに2輪駆動より4輪駆動のほうが悪路に向いているのは確か。が、じつは、最近のAWDモデルには、走破性以外にも、大きなメリットがあったりする。

 その一例が、なんと乗り心地である。新型ヴェゼルのFFとAWDを乗り比べてみると、明らかにAWDのほうが乗り心地がよい。AWDのほうが、車両重量が増し、よりしっとり重厚な乗り心地を実現できる……というクルマもあるにはある。トヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーがそうで、FFモデルなら16インチタイヤを履くグレードの乗り心地がベター。でも、17インチタイヤ&ホイールのカッコ良さは譲れない……場合、17インチタイヤ×4WDを選べば、重量増によって、17インチタイヤ特有の乗り心地の硬さも緩和され、乗り心地にも満足できるというわけだ。

 日本のSUVブームの火付け役ともなったトヨタ・ハリアーの最新モデルも似たような傾向だ。たとえば、開発陣にとってイチオシであろうHVの19インチ大径タイヤ装着グレードの乗り心地は、ロードノイズは見事に抑えられているものの、けっこう固め。タイトでスポーティな乗り味を好むユーザーに向いている印象だ。

 一方、18インチタイヤ装着車になれば、乗り心地面で優位に立つことは間違いないのだが、19インチと違って専用開発タイヤではないため、荒れた路面でのロードノイズの発生が、そもそも静かなハリアーHVの快適感に水を差すこともあったりする(良路では静か)。で、専用開発タイヤであり、見た目もカッコいい19インチタイヤ装着グレードのFFと4WDを比べると、足まわりに大きな違いがないにもかかわらず、想像どおり、HV Z 19インチタイヤ装着車の4WDの乗り心地が(重量増などにより)よりよかったりするのである。

 が、新型ヴェゼルの場合はちょっと事情が違う。AWDモデルのほうが、乗り心地面だけを見れば圧倒的にいいのだが(FFでも先代モデルより乗り心地は圧倒的にいい)、それは決して駆動方式による重量増だけが理由ではない。じつは、AWDの足まわりを、あえてFFモデルよりコンフォート寄りにセッティングしているからなのである。本題とは逸れるけれど、新型ヴェゼルの筆者のお薦めグレードがe:HEV PLayではなく、e:HEV Zなのは、そのAWDが選べるからにほかならない(PLayはFFのみ)。

 昭和臭漂う、4駆より2駆のほうが、乗り心地、静粛性で勝る、という古き先入観は、もはや捨てたほうが良い。

 また、実用面でも2駆より4駆のほうがよいこともあるのだから、これいかに。

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