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「本革シート」なのに座り心地が悪い! 布のほうがいいこともある「高級装備」に潜む難しさ (1/2ページ)

「本革シート」なのに座り心地が悪い! 布のほうがいいこともある「高級装備」に潜む難しさ

車内を豪華に演出してくれる本革シートだが……

 かつては高級車にしか採用されていなかった本革シートが、今では国産コンパクトカーでも選べるようになっている。本革シートは見た目の豪華さを演出でき、車内の高級感、デザイン性を格段にアップしてくれる装備だ。

 しかし、体形、体重によっては、むしろファブリックシートのほうがかけ心地がよい、シートのサポート性で上まわるケースもあるのだ。何故か? それは本革シートの表皮の張りの強さが影響している。つまり、たわみという点で、比較的ソフトな生地のファブリックシートが有利になることもあり、座り心地がよいと感じ、お尻の沈み込みによって、サポート性が得られ、運転姿勢が崩れにくくなることがあるというわけだ。

 たとえば、人間のバランス能力を引き出す、骨盤を立たせた姿勢を保てるシート設計、レイアウトが自慢のマツダ3のファブリックシートは、お尻を絶妙に沈み込ませ、体重でサポート性が得られるシートで、上半身に自由度がありつつ、お尻と腰がしっかりとホールドされ、なおかつ頭の動き最小限のドライブが可能になる。

 ところが、身長172cm、体重65kgの筆者がマツダ3の本革シートモデルに乗り換えると、本革の張りの強さによって、ファブリックシートほどのお尻の沈み込みが得られず、サポート性、頭の動きという点で、やや後退する印象なのである。

 そうした現象は、ホンダ・フィットでも同様だ。先代に比べ、より自然で心地よいかけ心地が得られるフィットの前席だが、やはり、「かけ心地にこだわった」という本革シートになると、個人的にはファブリックシートのような、ふんわりお尻が沈み込むような快適感、落ち着いたかけ心地が得られなかったのである。

 また、本革シートの張りは、輸入車のほうが強い傾向がある。かつてボルボでファブリックシートと本革シートを乗り比べたことがあるのだが、本革シートにはリラクゼーション機能(マッサージ機能)などが付加され、インテリアのスカンジナビアデザインが一層際立ち、ぜひとも選びたくなるものの、筆者の体重では、かけ心地がやや硬い感じが否めなかった。

 モダンリビングのソファに腰掛けて空間移動するような感覚、心地よいかけ心地では、ベースグレードのファブリックシートが上まわるということだ。

 だから、自動車ディーラーでファブリックシート仕様の試乗だけを経験し、しかし注文するのは未試乗の本革シート……というのは、ちょっと危険でもある。本革シートが希望なら、実際に本革シート仕様の試乗車に試乗し、できるだけ長い距離、時間の試乗をすることが望ましい。シート、そして自身の体形、体重によっては、ファブリックシートのほうがかけ心地、ホールド性が良かった……なんてことも起こりうるのである。

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