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VHSとβと同じにみえるが背景は複雑! CHAdeMOにコンボにスーパーチャージャーと「EV」の急速充電規格がバラバラなワケ (2/2ページ)

VHSとβと同じにみえるが背景は複雑! CHAdeMOにコンボにスーパーチャージャーと「EV」の急速充電規格がバラバラなワケ

この記事をまとめると

■EVの急速充電方式には日本発の「CHAdeMO」と欧州発の「コンバインド方式」

■CHAdeMOは急速充電のみで、普通充電口とは異なる形状にして事故防止を図っている

■テスラはスーパーチャージャーという独自規格により最適化した充電を行う

現在の主流はCHAdeMOとコンバインドのふたつ

 電気自動車(EV)を世界で最初に市販したのが日本なので、充電に関わる世界標準を進めたのも日本だ。そこから生まれたのがCHAdeMOプロトコルである。「お茶でも飲んでいる間に充電が終わる」という性能を目指し、規格化され、名称もCHAdeMOの語呂あわせとなった。

 そのあと生まれたのが欧州のコンバインド方式(通称コンボ式)だ。これは、CHAdeMOが日常的な200Vでの普通充電と、移動中に急ぎ充電するための急速充電用の口を別々としたのに対し、ひとつの充電口に普通充電と急速充電を設けたのが特徴だ。

 その違いを優劣で語られやすいが、背景には利用地域での交通事情がある。

 日本は基本的に路上駐車が禁止だ。できるとしてもパーキングメーターが設置された場所のみになる。それ以外は、自宅か月極か、あるいは時間貸しの駐車場にクルマを止めるのが原則である。

 これに対し、欧州では路上駐車が認められている。ことに大都市では路上駐車が基本だ。代表的なのがパリの市街地である。互いの前後バンパーをぶつけあいながら隙間なく路上駐車している。

 そういう欧州では、路上駐車しているクルマが、住民であるのか通りがかりに短時間止めるだけなのか、区別がつかない。そういうクルマが混在して路上駐車していれば、普通充電か急速充電かの要望が個々に異なる。それでもCHAdeMO方式で、ふたつのケーブルを用意しておけば対処できなくはないが、1本で済ませられたほうが合理的だ。そこでコンボ方式は、1本のケーブルで普通充電と急速充電というふたつの差込口を持つグリップを採用した。

 このため、欧米ではCHAdeMOもコンボも両方が普及している。

 CHAdeMOのように、用途に応じてケーブルを別にしたほうが万一の不具合に際して火災などの事故を起こしにくいことも考えられる。

 一方、高性能車や高級車からEV導入をはじめた欧州では、高電圧の急速充電を積極的に導入するあまり、充電での火災が起きている。

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