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【試乗】サーキットで全開が「楽しめる」SUVなんてアリなのか? 新型アウトランダーPHEVが衝撃の進化を遂げていた (2/2ページ)

【試乗】サーキットで全開が「楽しめる」SUVなんてアリなのか? 新型アウトランダーPHEVが衝撃の進化を遂げていた

弱点ともいえた内装の質感が圧倒的に高まった!

 三菱自動車が世界に誇るPHEVシステム搭載車「アウトランダーPHEV」をフルモデルチェンジさせ、秋以降に登場させることがわかっている。アウトランダーPHEVは2012年に現行モデルが登場し、すでに8年以上の歳月が流れている。この間に、世界累計販売台数は30万台以上に及ぶという。とくに欧州での評価は高く、近年はPHEV搭載車が矢継ぎ早に登場しており、アウトランダーPHEVはパイオニアとして君臨していた。

 これまでに何度かシステムの向上や意匠変更などのモデルチェンジを受けてきたが、今回はフルモデルチェンジということで車体デザインやパッケージング、装備、プラットフォームにパワートレインなどすべてが進化させられている。

 試乗場所は「袖ヶ浦フォレストレースウェイ」だ。発表発売前のプロトタイプ車であることから公道走行は不可能なためクローズドコースでの会場が選ばれたといえるが、エクリプスクロスPHEVの試乗会も富士スピードウェイのショートトラックだったことを思い出し、三菱開発陣は「サーキットでの限界領域」の仕上りにも相当な自信があるのだなと感じさせられた。

 眼前の新型車を見ると、ひとまわり以上大きくなった印象を受ける。三菱車のデザイントレンドであるダイナミックフォースデザインをフロントマスクに継承し、高いボンネット位置、余裕の感じられるロードクリアランスなどから迫力さえ感じさせられるのだ。

 実際、車体寸法のディメンションを見ると、全長は4710mm、全幅は1860mmとなり、それぞれ拡大している。さらにトレッドは前1595mm、後ろ1600mmと拡幅され、しっかりと地に足を着けた安定感のあるフォルムとなっている。

 運転席に乗り込むと、水平基調ながら、ソフトパッドにステッチが縫い込まれたレザー調ダッシュボードなど、質感が高く、欧州のプレミアムモデル並みの風格さえ備えさせられている。

 前席シートは電動アジャスト機能を備え、メーターは12.3インチの液晶パネルで表示項目を任意に設定可能なモダンさを与えられた。センターディスプレイモニターも9インチと大型で、どちらも視認性や操作性まで丁寧に仕上げられているのがわかる。

 スタート/ストップボタンを押し、システムを起動するとメーター内のイルミネーションがグラフィカルに展開し、走行準備が整ったことを表示する。センターコンソールの左よりにレイアウトされたシフトレバーでDレンジにセットし、アクセルを踏み込めばスルスルとEV走行で走り始めるのだ。今回のモデルからヒートポンプ式電動エアコンが装備され、冬期でもエンジンを始動することなくEVモードで走行を始めることが可能となった。

 アウトランダーPHEVは2.4リッターのMIVECガソリンエンジンを搭載するハイブリッド車なわけだが、走行にほとんどのシーンで車両を動かしているのは電気モーターだ。そのため発進から加速、減速などあらゆる走行シーンにおいてEV車と同様な走行フィールが得られるのである。EVモードスイッチがコンソールに備わっているのだが、基本がEV走行なので使用機会がほぼないとも言える。

 新型も従来どおり前後それぞれに駆動用モーターを配し、独立制御で4輪を駆動するフルタイム4WDとなっているが、その駆動用モーターが大幅に強化された。フロントモーターは60kwから85kwに。リヤモーターは70kwから100kwへと大幅に出力アップし、メインバッテリーは13.8kwhから20kwhへと容量アップしている。これでEV航続距離は約60kmから80km以上へと増え、日常的な使用ではほぼEV車として使えるほどの性能となった。

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