
この記事をまとめると
■デコトラは日本独自の改造車文化として世界的に知られている
■デコトラの装飾にはさまざまな図形が用いられている
■デコトラオーナーに人気の図形を解説
もっとも人気なのは菱形!
派手な装飾ではなく細かな部分に手をかけるようになった、仕事車を飾る令和のデコトラ野郎たち。なかでも人気なのが、アンドンと呼ばれるアイテム。内部に蛍光灯やLEDを組み込んだ本体に文字を記したアクリル板を組み合わせ、夜間になると明かりを灯すといういわば看板灯のことである。そんなアンドンにもさまざまな種類が存在するのだが、近年ではステンレスに菱型や星型などの抜きを施し、夜になると抜いた部分を光らせるという手法も人気を集めている。
普通のトラックでは光らないような箇所を光らせることで、デコトラとしての完成度を高めているのだ。いかにも光りますよと宣言するようなランプでは見る側に派手さを感じさせてしまうが、抜きを施したアンドンでは表面がフラットな状態であることも手伝い、すっきりとした印象を与えることができるのだ。そのため、仕事車を中心に人気を集めているのである。ちなみに菱型にアールをつけたものは、ダイヤ型と呼ばれる。トランプのダイヤと同じ形状であるため、イメージは湧きやすいだろう。
では、デコトラ野郎にはどのような図形が人気なのだろうか。正規の統計は存在しないが、デコトラ界の現状を踏まえて考えてみたい。
一番人気だといえるのが、昭和の時代から好まれてきた菱型。いろんな部分にあしらっても違和感を生み出さないところが、人気の秘訣なのだろう。あまり大きくしてしまうと反社会勢力の代紋を連想させることにもなりかねないが、そのような存在との関係性を感じさせるデコトラ野郎が多いのも事実である。それもまた、菱型人気の要因なのかもしれない。
そして第2位は、ダイヤ型。菱型はクラシカルな雰囲気で飾られたデコトラに採用されることが多いのだが、ダイヤ型はいわゆるオールジャンル。菱型よりもオシャレな雰囲気を求めるデコトラ野郎に好まれているのかもしれない。
第3位は星型。近代的なデコレーションを施したデコトラに採用される傾向が強い星型の人気は、映画『トラック野郎』の主演車両である一番星号からきていると考えるのが妥当だろう。きらびやかに輝く星そのものには良いイメージしか存在しないことも、愛されている理由なのかもしれない。
第4位は、ハート型。これは菱型やダイヤ型、そして星型のようにずらりと並べたりするのではなく、ワンポイントやアクセントとして採用されるケースが多いように感じられる。クールに飾ったなかに可愛らしさを出したいと感じるようなロマンチストなデコトラ野郎が、意外にも多いのだ。
さらには純和風な扇型も、比較的人気が高い存在。意外に思われるかもしれないが、デコトラにはさまざまな図形があしらわれていることが多いのだ。デコトラと遭遇できたときは、そんな図形を探してみるのも楽しいかもしれない。